名詞編 その3 実は簡単、動名詞 (前回の不定詞と動名詞の違いを意識しましょう)

名詞編の3回目となります(名詞の全体図、1回目:無生物主語、2回目:不定詞)   句(主語・動詞のかたちがない)は今回でおしまいです。

前提:名詞は、主語(S)、目的語(O)、補語(C) の位置に置かれます。何言ってんのかわかりません、この時点でやる気を失いました。という方は・・

動名詞とは

今回は動名詞です。「動名詞」も威圧感たっぷりなネーミングです。ほんとは大したヤツではないので、どうぞ安心してください。と、いうのも、前回の不定詞の名詞用法を理解できれば簡単だからです。中2で習うんですが、何故不定詞の後に学習しないのか、個人的にナゾです。何故か不定詞の後に助動詞や接続詞、there is なんかを挟んでから動名詞を学びます・・理由を知ってる方は教えてください。

「動名詞」という言葉を分析すると・・詞を名詞にする」、と捉えてください。この考え方、不定詞の時と同じですね!

不定詞の時を思い出すと・・ バスケットが私の趣味です。は Basketball is my hobby. です。Basketball が主語です。そして、basketball は名詞だから主語に置けるのでした。もし「バスケットを見る」のが趣味です。というときは ×Watch basketball is my hobby. と言いたくなるのですが、watch(見る)は動きなので「動詞」です。と、いうことは、動詞なので主語に置けません! そこでどうするか、というと、Toをつけて To watchにすると「見ること」というように名詞化できるということでした。To watch basketball is my hobby.となります。

それでは、動名詞は・・というと、ingをつければいいのです。上の例だと、watchという動詞にingをつけて、watching という名詞になるということです。watchingという名詞になったので、安心して主語に置けるというわけです。Watching basketball is my hobby.となります。名前の通り、動詞を名詞にしているので、わりと素直なヤツです。

では不定詞と動名詞とは全く同じなの??というと、ちょっと違うので最後にまとめますね。

動名詞 主語になる

Watching soccer(S) is fun. サッカーを見ることは楽しい

例文ではWatching soccer までが主語です。主語なので「名詞」でしたね。サッカーは楽しい。Soccer is fun.は中1の英語です。 サッカーを「見る」watch を付けたい場合、×Watch soccer is fun. ではダメです。 ご存知の通り、動詞は主語に置けませんでした。なので、ing を付けて名詞にしてください。 Watching soccer is fun. とすればオーケーです。

動名詞 目的語になる

You should practice playing basketball regularly. あなたは定期的にバスケットをすることを練習すべきです。(あなたは定期的にバスケットを練習すべきです)

個の例文だと、playing basketball が目的語です。目的語は「~を」の部分でしたね。もちろん名詞しか置けません。ですので、バスケットを「プレーする」のplayは動詞ですので、practice play basketballとはできません。

ですので、playにingを付けてplayingというように名詞化してください。そうすれば安心して目的語に置けます。

動名詞 補語になる

My hobby is playing basketball. 私の趣味はバスケットをすることです。

補語は目的語と同じように考えましょう。例文はplaying basketballが補語です。 補語は「主語とイコール」でした。趣味=バスケットをすること。となっています。

補語も名詞か形容詞しか入れません。playの動詞のままではダメなので、playingという名詞の形になっています。

不定詞と動名詞の違い

ここにきて気になるのは、不定詞と動名詞はどう使い分けるのか?ということです。to不定詞と動名詞は似ていると書きましたが、目的語(O)に不定詞しかとれない動詞、ingしかとれない動詞が存在します。今回の例文でYou should practice playing basketball regularly.という文がありましたが、これは ×practice to playとすると誤りです。practice は後ろに動名詞しか置けないのです。この違いがややこしいので、よくテストにもでるんですね。

そのため、 中学や高校では動名詞が目的語にくる動詞、なんかを暗記させられます。Megadepth..なんて暗記した記憶が私もあります。しかし、暗記してください、といってしまうと、このブログの意図に反してしまうので、少し探ってみたいと思います。

toとingの違い 

toについて

まずtoは前置詞にもあります。前置詞Toは「→のようにどこかに向いている」とイメージしてください。go to→school のように、学校に向いているイメージです。不定詞に応用すると、「doという行為に向いている」ということになります。言い換えれば、未来志向になるということです。

toを目的語に取る動詞

「未来志向」をキーワードにすると、不定詞しか目的語に来ない動詞の共通項が見えてきます。

行為に向く願望:want ~したい hope ~を望むwish~を望む、 など もっと積極的に行為に向く動詞:decide ~することを決める, promise ~することを約束する, 行為に向いて対応する:manage~しようとするなど

~ingをとる動詞

一方で、~ingはどうかというと、現在・過去・未来に縛られずに使われますが、どちらかというと不定詞に比べて過去志向、消極・逃避、反復のイメージです。また、具体的な状況を思い浮かべられるような「目の前のリアルな躍動感」も感じます。

不定詞との決定的な違いは、不定詞は「これから行う未来志向」なのに対し、~ingは「実際に行為を行っている」のが前提となります。

~ingを目的語に取る動詞

「過去志向、実際に行為が行われている躍動感」をキーワードにすると、動名詞をとる動詞も共通項が見えます。

何かをしている躍動感:enjoyを楽しむ, practiceを練習する 行為に向かわず回避する:avoid 回避する、mind いやがる、アイディアやイメージを対象:consider 熟考する、suggest 提案する、imagine想像する 行為の開始・継続・終了:start始める、continue 続ける、stop やめる、 quitやめる  などなど

toかingで意味が変わる動詞

ややこしいことに、toとingで意味が変わる場合もあります。この見分け方も「未来」志向なのか「過去」志向なのかで判断します。例えば、forget(忘れる)という動詞がありますが、to と~ingでは意味が変わります。

例 ①forget to(~するのを忘れる)②forger ~ing (~したのを忘れる)このように、①toが来ると「これから」のことを忘れる。②ingだと「過去にしたこと」を忘れる、ということになります。

①Don't forget to lock the door. (忘れずにドアをロックしなさい)→未来志向のto   ②I forgot locking the door. (ドアをロックしたことを忘れた)→過去志向のing というわけです。

他にもremember (to忘れずに~する、ing~したのを覚えている)、regret (to~するのを残念に思う、ing~したのを残念に思う)、try (to~しようとする、ing~して(結果)みる)などがあります。

不定詞と動名詞が主語になる場合の違い

目的語に動名詞と不定詞のどっちがくるか、というのはある程度は述語動詞で区別できますが、今回の例文であったWatching soccer is fun. とTo watch soccer is fun.の違いは難しいです。大西泰斗先生の本によると、主語に置かれたto不定詞の持ち味は「一般的な内容」とのこと。評論家がテレビで一般論を論じるような雰囲気です。一方でWatching と動名詞にするとまさに目の前でサッカーを見ているようなリアリティを感じる文になります。規則などを述べるような、一般論を言うときは不定詞の方が向いています。

このあたりのネイティブの感覚と英文法は大事ですが難しいです。大西先生の本はとても勉強になるのでお勧めです。リンクは下に貼っておきます。

長くなりましたが最後まで読んでいただいてありがとうございます。

動名詞の意味上の主語についてはこちら

動名詞の意味上の主語「my ~ing(所有格)、 me~ing (目的格)」は同じ意味か違うか

今回は、動名詞の意味上の主語について書いていきます。 動名詞についての全体像は↓ 動名詞は不定詞と似ています。不定詞と同様に、「意味上の主語」というのも存在します。 もくじ1 意味上の主語とは2 動名 ...

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ほんだくん

保有資格: TOEIC920点、英検1級 暗記に頼る文法ではなく、論理的に理解できる英文法を書いています。 長文読解が楽になるための文法、たんなるテクニックではなく、自信を持ってTOEICの文法セクションが解けるための文法知識を提供できれば幸いです。 その他、TOEIC900点越え、英検1級まで取得したノウハウを書いていきます。

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