今回は長文読解の読み方をシェアします。難関大学を狙ったり、英検で1級を取りたいという方はたくさんいると思いますが、楽な、くだらないテクニックに走った人から潰れていきます。大事なのは正統派の学習です。
今回紹介する方法、パラグラフリーディングは、長文読解のテクニックではなく、例えば海外に留学して超大な英文を読みこなす、1万文字以上のレポートを書く、英検1級レベルの量の長文を読みこなすことができるようになる本質的な読み方です。私もこれを知らなかったら英検1級の長文は読めなかったし、留学も難しかったと思っています。この方法をマスターすると、読解がかなり速くなります。
個人的には、英検1級レベル、難関大学の長文読解には必須の読み方だと思います。
これから英検1級に挑戦する方、留学する方、難関大学を狙う方にお役に立てれば幸いです。
こんな方のための記事です
- なが~い英語の長文を時間内に早く読めるようになりたい
- 一回長文を読んだだけで、筆者の主張をつかめるようになりたい
- 選択肢の答えが、どの段落にあるのかが一瞬で見抜けるようになりたい
- 長文を読んでいると、途中から「何の話かわからない!」状態になる
もくじ
パラグラフリーディングをする前提の英語力
パラグラフリーディングを学ぶにあたって、前提となる英語力ですが、センターレベルの英語が読める、英検でいうと準2級くらいの長文をスラスラ読める方向けです。
まずは英文を正しく精読できることが前提となります。パラグラフリーディングを否定している方は、英語をしっかり読めるレベルではないパターンがほとんどです。
例えば・・These immigrants accused of discriminating against white people are actually helping America's economy. のような文章があって、「×これらの移民たちは白人に対して差別していると非難し、実はアメリカの経済を助けている」のように間違って訳してしまう方は、まずは文法をじっくり学び、短い英文で確実に意味が取れるレベルにしましょう。
この文章を見て、areが動詞、とすぐにわかるレベルになるには、「英文を読むための文法」をじっくり学んでください。英語リーディング実践講座 44 のようないい教材もあります。上の例文の正しい訳し方も書いてありますので、一読ください。
パラグラフリーディング自体は難しいものではありません。なぜなら、最近は中学生も現代文を読むときに「論理的な読解」を学んでいるためです。要は、現代文の読み方を英語でもするということです。教養がある英語母語話者であれば自然にやっていることです。テクニックではなく、正統派の読解方法です。
まずは英語が正確に読めるレベルになったらパラグラフリーディングを意識しましょう。
英語の長文の例
変な例ですが・・・蕎麦(そば)派か、うどん派か?・・・として、あなたが「蕎麦派」だとします。うどん好きの人に、「そばの素晴らしさ」を伝えたい。その時に、「そばって最高ですよ!」とだけ言ったところで、うどん派の人は響きませんよね。うどん派を納得させるためにどうしますか?
「うどんより蕎麦が優れている」という英文を読むと想像してください。
まず第一段落で最初に「蕎麦はうどんより良い」って主張をしますよね。その意見を強めるために、第2段落で「蕎麦の健康効果」を書くかもしれません。食物繊維、ポリフェノール・・などと具体例を挙げ、うどんと対比させます。第3段落で、第2段落を強めるために「○○大学の何とか教授が蕎麦を進めている」と引用するかもしれません。第4段落で「蕎麦の料理の幅広さ」を書いてもいいですね。ここでもうどんと対比させてかけますよね。第5段落で、あえて「たしかにうどんはカロリーが低いかもしれません」と反論を入れておいて、第6段落で「実はうどんの消費が多い香川では糖尿病患者が多い」などと反論を否定して、蕎麦の良さを際立たせることができますね。第7段落で「ほ~らやっぱり蕎麦は最高です。うどんより蕎麦です!」とまとめます。
変な例ですが、段落はこのような形で書かれています。
この文章を、何も考えないで読むとどうなるか・・第一段落うどん派とそば派か~「蕎麦のほうがいい」なるほど、第2段落ん?健康?ビタミン?蕎麦のポリフェノール?食物繊維?難解な英単語が並んでいる・・怖い・・第3段落大学教授がなんか言っているみたいだけど、なんか難しいこと言っている(この時点で蕎麦がうどんより良いというトピックは忘れている)・第4段落え?鴨南蛮蕎麦?カレー蕎麦?急に蕎麦の種類が出てきた。。もうわけわからない。第5段落ん?うどんのカロリーは低い?うどんもいいのかな??第6段落糖尿病?蕎麦の話はどこにいった?何が言いたいの?第7段落さっきうどんがカロリー低くていいって書いてたのに・・蕎麦がいい??もうわけわからん文章でした!
極端ですが、こうなっている可能性があります。
パラグラフリーディングとは何か?
まず、英文の特徴として
これが前提です。大抵第一段落の最初のほうにトピックセンテンスがあるんですが、具体例から入る文章は、全体の真ん中にあったりします。(↓の論理パターンをご参照ください)
そして、そのトピック(話題)に説得力を持たせるために、具体例をあげたり、例証したり、あえて反論を入れてみたりしながら、文章を書いていくわけです。
筆者が扱っているトピックは1つ!と、もう一つ大事なルールは
複数のパラグラフ(段落)の間には密接な関係がある
先ほどの例をみると、「うどんより蕎麦がいい」というトピック(主張)をするために、説得力を持たせるために論証をしているわけですね。
すべての段落は、すべて「蕎麦はうどんより優れている」という一貫した主張に一致しているのがわかると思います。すべての段落が、「蕎麦がうどんより優れている」というトピックと一致しているのに気づけばいいわけです。第2段落は「健康面」で蕎麦が優れているというトピックの具体例 第3段落は「教授の意見」で蕎麦が優れていると言われているいう引用 第4段落は料理の幅が多いという点で優れているという具体例 5と6段落は、あえてうどんの良いところを見せて、それを否定することで「蕎麦が優れている」と説得力を持たせています。
すべての段落が「蕎麦がうどんより優れている」という話題に沿ってますよね。
では、パラグラフ(段落)の内容をどうやって理解するのか?というもんだいになりますが、
パラグラフ(段落)は密接に関連したセンテンスの集まり!
全体のトピックがあって、それに関連する段落の集まりが長文だと理解できました。それを小さく見たのが「パラグラフ」です。
つまり、第2段落を考えると、トピックは「蕎麦の健康面での優位性」としますよね。次のセンテンス(文)は、トピックの具体例として「ビタミンの含有量」「ポリフェノールの含有量」などを挙げるわけですね。すべてのセンテンスは「蕎麦の健康面」というトピックに一致しています。
それでは、それを意識して先ほどの文章を読むとどうなるでしょう??
第1段落で「蕎麦はうどんより優れている」というトピックを理解します。「蕎麦がうどんより良いのね、OK」第2段落で「健康面での優位性」というトピックを見つけます。「蕎麦が優れている例だね、いろいろ書いてるけど、健康の具体例だから読まなくていいや」第3段落で教授の意見か、恐らく蕎麦の優位性を言っているだけかな、サーっと読もう。第4段落・・料理の種類が多いという具体例かぁ、これもさっと読めばいいか。第5段落・・「うどんはカロリーが低いのか・・トピックからずれているから、恐らく反論を入れているんだな、たぶん次の段落で反論してくるだろう」第6段落「However・・から始まってるね、やっぱり第5段落をひっくり返して蕎麦の優位性を書いているんだね、さっと読もう。」第7段落、第一段落の繰り返し、結局蕎麦の優位性だけの話ね~簡単簡単
こんな感じで読むのがざっくりしたパラグラフリーディングです。もっと細かくいうと、プラスマイナスのニュアンスとか、いろいろ細かいことはありますが・・そのあたりは書籍で学ぶのが一番です。
古い本ですが・・中澤一先生の「難関大攻略 徹底長文読解講義」は時代を超えた名著であると思います。パラグラフリーディングについてかなり詳しく書かれています。変な塾や予備校の講義を受けるより良いと思います。本質的な内容なので、今の時代でも色あせていません。
最近は↓の本もよく書かれています。
わかんなくても大丈夫、大丈夫~の安心感と迷子の子猫にならない安心感
パラグラフリーディングをマスターすると、わからない単語に出会ったときに「別にいいや~~」と流せます。
パラグラフがセンテンス動詞で密接に関連しているのがわかるので、A→B→Cという文章があって、Aにわからない単語があっても、Bで同じような関連していることが書いてあるからBを読めばいいか~のように読めるんです。
自慢じゃありませんが、私は英検1級の長文は知らない単語が満載でしたが、長文読解は正答率が一番高かったです。
内容一致問題、空欄補充問題でいかす
ちなみに、難関私立高校や大学の過去問で、単語の意味を選べ、という問題がありますよね。A→B→Cという文章のAの文章に誰も知らない単語を入れておいて、問題にするわけです。受験生は「え!こんな単語無理!さすが難関校!」なんて言ってあきらめるんです。けど、A=Bの法則を知っている人は、BとCの文章を読んで推測するんですね。
内容一致問題も早くなります。どの段落に何が書いてあるかが把握できていれば、答えを探すのが早くなりますね。
マスターすると、英文をすべて読まなくてもよくなる
もっと進むと、各段落の最初の文を読むだけで全体の内容を理解できます。つまり、各段落のトピックセンテンスだけおさえてよむと、たいてい全体の内容はわかったりします。
学びが進んだ方は試してみてください。
よくある論理のパターン3つ
最期に、パラグラフのパターンですが、ほとんどのパターンが3つです。
論理パターン3つ
①最初にトピック→具体例、例証で展開
②具体例から始まって、→主張(トピック)→具体例
③具体例や例証→トピック
特に、②と③は読みにくいですよね。
大事なのは、具体例が必ず筆者の主張を指し示している!ということです。それを考えながら、トピックセンテンスを探しながら読むのがコツです。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。