子供に言ってはいけない言葉はいろいろあり、本やネットを見ると、「勉強しなさい」という言葉はダメ!とよく書いてあります。先日、のび太のママの記事でも書きました。これは、アニメでの「勉強=苦行」という洗脳に苦言を言っているだけであって、「勉強しなさい」と母親が言うことに悪いと言っているわけではございません。

とは言え、「勉強しなさい!」と言いまくるのが悪い影響になるのは明らかだと思います。・・しかし、以前も書きましたが、子供に「勉強しなさい」と言ってはいけない・・なんて思って生活するのは、かなりのストレスですよね・・そもそも、子育てに「これが正解」というものはあるのか?・・私は無いと思います。「勉強しなさい!」と親が厳しく言ってくれたから、勉強する習慣がついた人もいると思うのです。私も昔学校の先生に理不尽なことを言われて、今だにチクっとしますが、そのおかげで今がある、とも思えます。すべては学びになるわけです。

結局、子供は親を選んで生まれていると思えば、親もムリせず、「今のままでいい」という結論に至ってしまいます。Let it go~

それを前提に書きますが・・・

本題に戻りますと、子どもを確実に勉強しなくさせる言葉はあるのか?という点は興味がありますよね。

子どもは褒めればいいのだろうか

世の中の流れとして、子供は褒めて育てる、という流れだと思います。褒めるのがいい、というのは私は大賛成で、ストレスをいかに与えずに学習させるか、というのは意識しています。

しかし、褒め方にも注意が必要・・と強く思ったきっかけになったのが、この本。

マインドセット、という本なのですが、知人に勧められて読んでみたら、かなり面白い!!最強の子育て本だと思います。

褒めるのが大事!という風潮が教育や子育てで中心になっている今・・よかれと思って言ったその一言が、とんでもなく裏目に出ていたら・・・と言うように、間違った褒め方をすると大変なことになる可能性があります。

じゃぁ、「何も言えねー!!」と水泳の北島選手を思い出しますが、参考までにご一読ください。

世の中には2通りの人間がいる

結論から言うと、世の中には2通りの人間がいるそうです。それは・・硬直マインドセットと、しなやかマインドセットです。詳しくは本を読んでいただければと思うのですが・・

「硬直マインド」は・・・自分の能力は固定的で変わらないと考えている人 (「自分がどう評価されているか」を気にする)

「しなやかマインド」は・・・人間の基本的な資質や能力は努力次第で伸ばせると考える人(「自分を向上させる」ことに関心がある)

この2つのタイプを見ると、「しなやかマインド」の方がいいと思いますよね!

なぜなら・・硬直マインドセットになってしまうと、自分が優れていることを示そうと躍起になってしまい、失敗や間違えることにひどく臆病になってしまうのです・・

英語学習者を例にします。私は初めて英語を習う。英語教室に通うことにしました。

もしあなたが「硬直マインドセット」だったら・・

「先生は自分の能力を評価している・・頭の良さを値踏みされている・・周りの生徒も、私の能力をどう思っているんだろう・・視線が怖い」課題が与えられたら、「簡単な問題はやる気がでる、けど、難しい問題はやりたくありません(自分の賢さが証明されないから・・)」この先生は、私に合わせて易しい問題ばかり与えてくれるから、やる気が出る!(成長はしていない)

これを「しなやかマインドセット」に変えると・・

初心者だから学びに来ている。成績が悪いから、自分を伸ばしたくて来ています。今できなくても、学びを続ければできるようになるはず。先生は私の学びに手を貸してくれるはず。

この差、大きすぎると思いませんか!?

お分かりかと思いますが、「硬直マインドセット」に陥ると、自分の能力は決まっているため、努力はめんどくさい、と思ってしまいます。もし挑戦して、自分の能力が低いと思われたらイヤだ・・なら勉強なんてやらずにゲームしま~す状態。

硬直マインドセットを作り出す、親と指導者のNGワード

硬直マインドセットを生み出す親や指導者の一言は・・子供の能力や頭の良さを褒めることだそうです。または、論外ですが「能力を否定する」こととも言えます。

NGワードは・・「頭いいね!」「能力あるね!」などの言葉になります。

能力を褒める・・というのは言ってしまいがちですよね・・すごい!才能があるわね!!なんて、言ってしまうと思います。冒頭で書いた通り、「言っちゃダメ!」だとストレスなので、才能があるね!とちょっと言うくらいは別にいいんじゃ・・と思ったりもしますが・・才能をもっと伸ばそう!というしなやかマインドセットでも良い気がするので・・

もし言い換えるなら、「スゴイ!90点も取ったの!?頭いいわね!!」「スゴイ!90点も取ったの!?頑張って努力したんだね!」というように、才能ではなく、努力の結果だと思わせる褒め方をする、というように、過程を褒めるのがいいそうです。

やればできる

こうなると、「やればできる」という言葉がなぜダメか・・これでわかると思います。「やればできる!」というと、言われた人・・(私はもともと能力はある。だから、やる気になればできるんです。けど、もしやってみて、できなかったら自分の能力がないと思われて自尊心が傷つきます。なら、やらないで、「やればできる」と能力を認めてもらっていた方がいいや)と思うということですね。

「あの人は頭がいい」に苦しむ学生たち

小中学生を見ていると、成績が伸びるタイプは「しなやかマインドセット」であるのは言うまでもありません。自分の力を自分で伸ばすことができるためです。

子供は「あの子は頭がいい」「あいつは頭が悪い」にとりつかれています。偏差値とかいうわけのわからない数字を見て、「僕は偏差値○○だからバカだ・・」となるわけです。偏差値は頭の良さを示す数字ではないことに気づいておらず、「成績のいい子は勉強をしている」、という当たり前の事実にも気づいていません。

「イヤイヤ、あの生徒は勉強をほとんどしていないけど、できるんですよ。」と言うかもしれません。確かに生まれつきの天才はたま~にいるかもしれません。それ以外の普通の成績優秀者は、勉強していないように見えても、効率的に短時間で覚えるスキルを身につけていたり、机に座っていない時に学校や塾で習ったことを思い出す(想起学習)、電車やトイレで単語をパラパラ見る・・ということをやっているのです。それを知らずに、「頭がいい」という硬直マインドセットで片づけているのです。

硬直マインドセットだった中学生も、努力次第で英語力は伸ばせる、とマインドを変え、信じ、継続することで、英文が驚くほど読めるようになった生徒もおられます。

頭の良し悪しで成績は変わる。というマインドから → 努力次第では能力は伸びる、というマインドへの変換が重要となります。

かく言う私も、「お前は文系だから理数系はダメだな」という言葉を素直に信じ、根っからの文系人間になっていたのですが・・思い込みは怖いです。

才能は関係あるのか

けど、ある程度才能ってあるのは確かですよね!?と思いますよね。運動だって向き不向きがあるし、英語学習だって「センス」や「言語能力」が無い、というとウソかと思います。

センスや能力の差はある。というのは事実だとしても、「センスや能力は伸ばすことができる」というのもまた事実である、ということも科学的に証明されています。

本にも書いてあって、生徒にも話をするのですが、バスケットの神様マイケルジョーダン。彼は神様なんて言われて、天才と言われますが、大学時代はそこまでパッとしなかったそうです。そんな彼は、試合の後にシュート練習1000本をしていたそうです。彼自身、努力で自分を伸ばしてきたと思っているので、「なんでみんなは僕を天才みたいに特別扱いするの~?」という感じらしいです。

イチロー選手の引退会見を見てもそうですよね。毎日毎日、コツコツ誰よりも練習をした結果だと、イチロー選手も言っているわけです。

紹介した本ではこのような事例がたくさんあるので、ご一読の価値はあるかと思います。

一見英語もセンスがなさそうでも、音読やかけ流しを繰り返しながら、いつの間にか英語のリズムで読めるようになります。そもそも、海外に子供の時から住んでいたら誰でも英語が話せるわけですから、語学にセンスは必要ないと思います。必要なのは「継続」と「正しい学習法」のみです。

これらのことを考えると、子供だからと、易しいものばかり与えず「すべての生徒に高い基準を設ける」「間違いを恐れない」という学習が大事なのがわかりますね。ウザワシステムが難しいものを与え、ドンドン間違えさせるのも、「能力は伸びる」という信念があってこそです。

人間は2通りで当てはめるのは無理ですし、褒め方1つでも、大げさに「すご~~い」が喜ぶ子もいれば、「そんな褒めるなんて、わざとらしい、ウソでしょ」と思う子がいたりします。そのあたりの見分け方も無きにしもあらず、なのですが長くなるので機会があれば別に書きます。

長くなりましたが最後まで読んでいただきありがとうございます。