こんにちは。福島市で英語教育を研究している、ウザワシステム本田塾です。

ウザワシステムでは、日本語をたくさん使って英語教育をします。訳を日本語で書いたり、積極的に日本語を使います。コミュニケーションより、訳、暗記、文法を重視しています。

今時、訳ですか?それに、英語は英語で学ぶ時代でしょう。それに、時代はコミュニケーションですよ!と思う方もいるかもしれませんが、英語を英語で学ぶことについて、「良い」といえる根拠はあるのでしょうか。

今回は、英語学習において、日本語を使わない方がいいのか?訳読は不要なのか?についてシェアさせて頂きます。

英語教育のこれまで

現在の英語教育を考える前に、これまでの英語教育のながれをざっと見てみます。

19世紀「ダイレクト・メソッド」

まず、訳読式はダメだ、という批判から、19世紀にダイレクト・メソッドという手法がヨーロッパで生まれます。英語だけで授業をする方法です。子供が母国語を覚える方法で~というように、現在の日本の英会話学校などでも行われている手法ですね。

戦後「オーディオリンガル・メソッド」

ダイレクトメソッドもあまりうまくいかず、やがて廃れ、第二次世界大戦後は、「オーディオリンガル・メソッド」、別名、「アーミー・メソッド」という方法が人気を博します。アーミーとは「軍隊」という意味です。戦争で各国の言葉を覚えるために、軍が使った方法だそうです。やり方は、パターンを繰り返す方法。This is ~という文を覚えるために、~のところにPenとか、Bookなどを入れて、繰り返して覚えるやり方です。今の日本の学校でよくやるやつです。

「コミュニカティブ・アプローチ」

パターン練習じゃ実際に使えないよ!というわけで、「コミュニカティブ・アプローチ」という方法が流行りました。簡単にいうと、文法ばかり気にしてたら話せないから、会話中心にやればいいよ!正確性は置いといて、流暢さが大切です!という手法です。ご存知の通り、文法や発音ができなくなり、日本人の英語力はさらに下がりました。

「Focus on form」「CLIL」

その反省から、最近はFocus on formという手法で、文法規則と発音などの形式(form)も焦点をあて(focus)正確さと流暢さを両立させようという流れになって今に至ります。

文法訳読式はダメ!から始まって、紆余曲折して、結局、文法は大事、という話に戻るわけです。ざっと英語学習の歴史を俯瞰すると、いろいろ迷走していた感じがわかりますよね。

ちなみに、最近はCLILという、内容と語学学習を統合する方法もあります。これは、私の個人的な経験から、最高の学習法では?と思うので、別の機会に書きます。

母語使用と「訳」が見直されている

このように、オール英語が効果的だと思われていた英語学習ですが、必要に応じて母国語を使用したほうが理解が早い、という反省が生まれているのが現状なのです。母国語を使った英語学習は、近年見直されています

さらに!最近の海外の言語教育界では、TILT (translation in language teaching) (翻訳を使った外国語教育法)が研究され始めているのだそうです。

なんと、訳読式はダメ!から始まった言語教育ですが、まわりまわって、母国語を使って訳をするのがいいのでは!?という研究に戻っているのです。

正解はない

いろいろ書いてきましたが、私は「訳」や「文法」については必要だと思っています。訳すことで、英語と日本語の違い、距離間のようなものを実感できると思います。

文法については、言語の「ルール」のようなものですので、知らなければ話にならないと思います。初めて野球をする小学生が、打った後どうしていいかわからず、ホームで立ち尽くす姿を見たことがありますが、文法を知らずに英語を話そうとするのは同じようなことが起きます。

と、言っても、訳と文法だけやっていればいい、というわけでもないのは確かです。多読は大前提ですし、ウザワシステムが提唱している英語のかけ流し、実際のコミュニケーションも必要だと思います。幅広く学習することが、結局重要になると思います。

最近は左脳型、右脳型などというのはウソだということもわかってきたようです。脳はすべて連動しているそうですので、英語を話すときも、脳の色々な部分が連動していると思います。

なので、訳したり、音読したり、会話したり、聞いたり・・たくさんの活動をするのが、結局大切なのだと思います。

ウザワシステムでは、そのあたりを考慮し、聞いて、話して、読んで・・授業内にたくさんの活動をしています。