バスケットボールにハマっている息子はYou TubeでNBA(アメリカのバスケ)の動画ばかり見ています。
「これ、すごいから見てよ」
というので、見てみると、黒人の選手が空中で色々動いて、華麗なダンクシュートを決めていました。お笑いダンクシュート!(知っている人いるかな・・)
「最近のCGは、すごいね」というと、「いや、リアルだから」と、息子。
「す、すごすぎるよ、この選手は!半端ないって!!」私は数秒のその動画を見ただけで、「この選手は、半端ない。」と思ったのです。
しかし、試合をすべて見ていたら、たまたま30分のうち一回だけあったファインプレーかもしれませんし、もしかしたら、何故か優しすぎて敵にパスをしてしまう癖があったり、極度の人見知りでチームメイトと話ができなかったり、ドリブルが致命的に下手なのかもしれないわけです・・(ありえないと思いますが)
つまり、何が言いたいかと言うと、物事の「一部分だけ」切り取って、判断するのは危険だということです。
デリケートな話題なので、あまり言えないですが、最近もオリンピックの森さんが失言をしましたね。
一連の報道に対し、発言の一部だけを「切り取って」報道していると批判する人もいます。全文を読むと、そこまで差別的ではない、という理屈です。
「発言」も、前後の文脈なしで判断すると、必ずしもその人が言いたかったこととは違う、ということになり得ます。
そのことについては、今回のブログの趣旨ではないので、どうこう言うつもりはないのですが、「全文」を読むと、「そこまで女性差別的とも言えない」と思う人もいる、というのは興味深いです。
もくじ
言葉(英単語)は、ボールのようなもの
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”#ccc” bgcolor=”#ffffff” borderwidth=”2″ borderradius=”2″ titleweight=”bold” fontsize=”” myclass=”st-mybox-class” margin=”25px 0 25px 0″]同じように、「英単語」も、前後の関係を無視して考えてはいけません。
[/st-mybox]「単語」というのは、ボールのようなもので、ぴょんぴょん跳ねて、安定しません。
ボールの両端をヒモで引っ張ると、ピタッと安定しますよね。
この両端のヒモが、前後の文章です。フワフワ漂っていた単語も、前後の文章に引っ張られて、意味が決まるのです。
それが、「文脈」というやつですね。
こうやって、単語の「意味」は決まります。
だから、辞書をいくらひいても、単語の意味がわからない・・英訳で辞書を調べながら書くと、意味不明な不自然な日本語になる。ということが起こります。
文脈で、英単語の意味は変わる。
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”#BDBDBD” bgcolor=”#f3f3f3″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=”” myclass=”st-mybox-class” margin=”25px 0 25px 0″]例えば、Throw the book at someone という英語を訳しなさい、という時。※threw は投げるという意味
[/st-mybox]シーン1 友達の家で
I was playing with Mike.~ He got angry and threw the book from the shelf at me.
(私はマイクと遊んでいました。〜その後何かで口論になり〜彼は怒って、_______)
シーン2 裁判所で裁判官のセリフ
‘’You may have gotten off lightly in the past, Mike, but this time we’re going to throw the book at you.”
(「マイク、今まであなたは軽く済んでいましたが、今回は_________」)
さて、( )の中、どう訳しましたか?
シーン1では、友達の家ですので、文字通り、
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”#ccc” bgcolor=”#ffffff” borderwidth=”2″ borderradius=”2″ titleweight=”bold” fontsize=”” myclass=”st-mybox-class” margin=”25px 0 25px 0″]「怒って本棚から本をつかんで投げつけた」
[/st-mybox]という意味になりますよね。
シーン2は裁判所でのセリフ。
裁判官が、「今までは大目に見てたけど、今回は本を投げつけるわよ!」なんて言ったら、コントですよね。けど、このような訳を書く生徒は結構います。
辞書で、threw 投げる、book 本、などと調べるからです。または、threwを単語帳で「投げる」と暗記して、それを信じ切っているから起きるミスです。
シーン2の( )の中、おそらく、threw the book at の熟語的な意味を知らなくても、訳せると思うんです。
今までは軽く済んでいた。しかし(but)と逆のことを言うということは、、、「今回は重いバツを与えますよ」という意味になるのは想像できると思います。
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”#ccc” bgcolor=”#ffffff” borderwidth=”2″ borderradius=”2″ titleweight=”bold” fontsize=”” myclass=”st-mybox-class” margin=”25px 0 25px 0″]「マイク、今まであなたは軽く済んできたけど、今回は厳しく罰します」
[/st-mybox]※ちなみに、この場合のbookは、「ルール」という意味で使われています。
この例文の場合、辞書や単語帳の意味だけを頼ると、get off を「(乗り物から)降りる」と思ってしまうかもしれません。けど、裁判官のセリフなのだから、軽く済ます、くらいの意味だと考えれますよね。
文脈を無視した最悪な訳は「あなたは今まで軽く乗り物から降りてきた。今回は、あなたに本を投げつけるわよ!!」という謎のシチュエーション笑
単語の意味より、文脈が大切です。そして、高校や大学の訳問題、単語の意味を問う問題も、文脈で判断しなければできない問題が多くあります。
単語帳を使うな、とは言いません。しかし、「単語暗記だけ」に偏ると、読解は絶対できません。
もう1つ、簡単な例をあげると、「OK」
私たちが知っているOKは、「大丈夫です」のOKですよね。“Are you ok?” 的な使い方です。「大丈夫ですか?」
しかし、
“I don’t think he’s such a great actor. He’s just ok to me.” このようなOKも会話ではよくあります。
「そんなにいい俳優だと思わないな。彼は私にとって、まぁまぁ」このように、普通、という意味もあります。
OKだけでも文脈で変わったりするんですよね。
私を含む一部の日本人の中には「OK牧場」という和製英語を好んで使う人がいることを最後に付け加えておきます。