なんで大学に行くんだろう。
なんで、受験勉強をするんだろう。
なんで、勉強しなければならないんだろう。
永遠の謎ですよね。簡単には答えられません。「選択肢」を広げるため?という人もいますし、学歴が大切だから。という人もいるでしょう。
正直、答えはないでしょうし、「一つ」でもないですよね。
普段からボーッとしている私のような人間に、この哲学的な問いに答えるのは難しいですが、「英語教室」とはいえ、中高生を預かっている身としては、考えざるを得ません・・
なぜなら、私の高校時代は、まだ「学歴」というのが今よりも重要だったので、「何を学ぶか」よりも、「どの大学に行くか」のほうが優先される風潮があった気がするんです。
その結果、大学に行き、反面教師のような生活もしました、、留学して、その考えも変わっていったわけですが、、それなら、高校のときに知りたかった、と思うわけです。
結論を言うと、色々ありますが、今ぱっと思いつくのは、「批判的な思考の癖をつける」「どうしても学びたいことを深める」の2つかな、と思います。
正直、大学は就職予備校ではありませんし、「交友関係を広げたい」と思うなら、SNSでもやっていればいいと思います。
もくじ
批判的な思考「クリティカル・シンキング」
「クリティカルシンキング」という言葉があります。
「批判的思考」というもので、もともとはアメリカから始まったようです。
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”#ccc” bgcolor=”#ffffff” borderwidth=”2″ borderradius=”2″ titleweight=”bold” fontsize=”” myclass=”st-mybox-class” margin=”25px 0 25px 0″]要は、主観に流されず、客観的に物事を判断しよう、というものです。
[/st-mybox]私もオーストラリアにいたとき、大学に入る前は「クリティカルシンキング」の講座を必ず受けるように言われました。
これが、半端ではなくおもしろかったです。
批判的思考って?ということについては、詳しくはこちらの記事(論理的に英文エッセイを書く方法)で書いています。
簡単にいうと、たとえば、
The French are arrogant. (フランス人は、傲慢だ)
The Japanese eat rice everyday.(日本人は、ご飯を毎日食べる)
こう言われると、「たしかにそうだよね」と、納得しますよね。
けれど、批判的な思考をすると、これは「over generalization」(一般化しすぎ)です。
謙虚なフランス人もいますし、米は食べない、という日本人も、最近は多いです。ツッコミどころ満載な文章、ということになります。
It is obvious that the government’s proposal will not work. (政府の提案はうまくいかないのは明らかだ)というような会話は、日常でよくありますよね。
けど、こういう主張は、evidence (根拠)がない、とみなされます。
では、次の文章は、どこが問題でしょう?
I walked under a ladder last week. That’s why I did not win Lotto. (先週はしごの下を歩いた(英語圏では不吉とされる迷信)だから、宝くじが当たらなかった)
これは、原因と結果が曖昧ですよね。はしごの下を歩くと不吉、というのは、迷信であって、他の理由があります。
理由としては不十分なのです。
子どもは、「制服は必要か」という題に対し、「制服は嫌いだから」というようなことを書いてしまいますし、We should cheat. Everybody else does.(みんなやっているからカンニングはすべき)のようなことも書いてしまいます。まさに、Two wrong doesn’t make a right. 他人がやっているから自分がやって良いわけではない、という話です。
こういう思考って、とても面白いです。
なぜ、このクリティカルシンキングが必要か?
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”#BDBDBD” bgcolor=”#f3f3f3″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=”” myclass=”st-mybox-class” margin=”25px 0 25px 0″]本当の学問って、知識を得ることではなくて、その知識を批判的に考えて、検証して、自分の考えを生み出す、というものだと思うんです。
[/st-mybox] そして、それがとても楽しいです。留学して、はじめてその楽しさがわかりました。そうやって、学問は発展してきたわけですよね。
だから、無批判に知識を受け取るのではなく、それを批判的に考え、検証、自分の考えを持つ、というのが大切だと思うんです。
それがないと、ユーチューブで知識だけを得て、「自分は物を知っている」とマンスプ(知識でマウンティングをとる)状態と同じになってしまいます。
好きな学びを深める、とは
それが2つ目の理由「どうしても学びたい学問を深める」につながると思います。
好きな分野、興味のある分野だから、他の人の理論を知り、それを批判的に考えて、真剣に検証し、さらに高めてレポートを書く、という本当の学問ができると思います。
大学生は時間があるので、それができます。本当の贅沢な時間です。
私も、今だったら、言語学とか心理学とか、今から大学に行きたい!って、本当に思います。
〇〇を暗記する、という知識のための勉強だったら、大学に行かなくても、ユーチューブで学べます。けど、大学だからできることって、あるんですよね。
塾の役割
私は高校生の頃、大学に行く理由なんて、まったくわかっていませんでした。
本田塾では英語と国語しか教えられませんが、単なる知識やパターンの暗記ではなく、批判的思考、論理的思考、など、文系科目でも学べることは多いです。その楽しさに気づいてもらえれば、大学での生活が変わるかもって、期待します。
英語だったら、英検のエッセイは本来、クリティカルシンキングを鍛えるにはとてもいいです。準2級からは自分の主張⇒具体例など、ある程度論理的な文章を書く必要があるので。
英検のライティングは、キレイで正しい英文を書くだけを目標にすると、ちょっともったいないですね。
クリティカル・シンキングは、「揚げ足取り」のようにも思われますが、情報を客観的に読み取って、合理的に解決法を見つける方法です。
コロナについても情報が溢れている昨今、情報の本質を見極め、流されずにどう行動するか?
子どもたちに必要なスキルだと思います。
話がそれましたが、情報を批判的に考え、検証しながら、答えのない問題を深めていく楽しさを学ぶところが大学だと思います。
そして、その「姿勢」は、その後の生活でも役に立つはずです。
高校までの「答えが用意されている」問題をとく学習とは違うアプローチで学べる時間をもてるだけでも、大学にいく理由になると思います。
難しいですが、塾でも、その準備になれるような貢献ができたら・・とは思います。