とても勉強熱心な生徒に多いのですが、「aとtheの違いって何なんですか??なんでここでaがつくんですか??」この手の質問は、意外に多いです。特に、「なぜなぜタイプ」に多い。

細かいところに疑問を持つことは素晴らしい事ですし、とても感心します。しかしながら、正直、今(中学生)、そこをこだわっていいのかな…とも思います。特に冠詞は日本人にとってはとても難しい。今は細かいところよりも、全体を見てほしい。こだわり過ぎは危険もあるのは確かです。けど、だからと言って、、「今はそんなの気にしなくていいよ」とも言いたくない。

「楽器には絶対theがつくんですか??」 どうやら学校では楽器には必ずtheがつく、と教わるらしい。go to schoolも、go to school の時はschoolにthe、 aはつはない、と教わるようです。確かにそんなこといちいち説明していたら大変ですね。しかし、生徒によっては、「なんで絶対なんですか??」と気になる子もいます。私もそっちよりのタイプなので、「気が合うね!」っていう気もします。

実際、楽器にaがつくことは普通にありますし、go to the school もありえない英語ではありません。

そもそもaとtheの違いは

a、というのは、たくさんあるものの中から、適当に1つ。というイメージ。the は話し手も聞き手も、両方とも共通に認識しているものにつくイメージです。

例えば…お母さんに中学生の娘が、「スマホが欲しい」と話しています。

何でもいいからスマホが欲しいのよ!であれば、I want a smartphone になるわけです。お母さんは、「それなら安いのを適当に買っとくか」となります。

一方で、iphone 10 の話をしていて、「やぱりアップルのiphoneよね~」という共通認識が二人にある場合、その会話の流れで、I want the smartphone. その(iPhone)スマホが欲しい。となります。

楽器にaがつく場合

楽器の場合、I play the guitar. (私はギターを弾きます)であれば、普通ピアノ、ギターのような楽器の形は常識的にみんな共通認識として持っています。ギターの形、用途、「あ~そのギターね」という感じで共通した認識をもっています。そのため、the がつくわけです。

では、楽器屋さんで、ギターが一本欲しいなぁ、という時は?「たくさんあるギターの中で、一本のギター」という意味にフォーカスされるのでa guitar という事もできます。

schoolはなぜ冠詞a theがつかないのか

では、学校に行く。の I go to schoolには、なぜthe a がつかないのか?ですが、学校には、みなさん「授業を受けに」行きますよね。

辞書を見てもらえれば分かりますが、実はschoolには「授業」という意味もあります。つまり、ここのschoolは「学校教育・授業」という「目的」を表しているんです。

このように、はっきり目に見えない概念は、英語では「不可算名詞」といって、数えられないもの、として扱います。ですので、1つ、という a や the のような冠詞はつかないわけです。

もちろん、schoolには「学校」という意味があります。学校は、もちろん形がありますし、数えられます。なので、「学校」という建物に行く、という場合は、theをつけてもいいんです。

たとえば、学校の壁を直しに行く、だったら、授業を受けるわけではないので、I go to the school~といえるのです。

と、いうわけで、楽器には必ずthe、go to schoolは冠詞はつけない、と単純に暗記はしない方がいい、と思います。

犬肉が好き

a, theみたいな細かいことはいいじゃないですか~って思う人もいるかもしれませんが、中学生が I like dog. というような英文を書くと、私は「え、犬肉が好きなの??」と冗談で聞きます。

dogをa dog, dogsにしないと、「犬肉」という意味で伝わります。冠詞がない=数えられない=犬肉 とネイティブは感じます。

ちょっとマニアックですが、こういう「へ~」というのが、脳のRASを開きます。つまり英語に興味を持つきっかけになればな、と思います。