副詞編4回目です。副詞句:1回目 前置詞+名詞、2回目 不定詞 副詞節:3回目 従属接続詞 副詞全体図はこちら
今回は副詞編の4回目「分詞構文」になります。一般的には高校で学習する内容だと思います。中学でやらず高校から…名前も「分詞構文」とやたら難しそう…と思う方も多いと思いますが、英文法にありがちな、やたら難しそうな名前だけど実は単純、という典型です。「分詞構文」という名前を見ると、ワザと文法を難しく見せようとしているとしか思えません…
もくじ
分詞構文とは
まず分詞構文を理解するには、前回の従属接続詞の知識が必要になるので、まだ読んでいない方はご一読をお願い致します。
ちらっと復習すると、従属接続詞は、SVOなどの完全な文に、「情報の付けたしのような感じで、文章を付け足す。」という文法でした。
例えば…I was absent from school 私は学校を休みました。という文章に、「風邪をひいたから」という理由を付け足したかったらbecause (なぜなら)という接続詞をつけてbecause I had a cold. 私は風邪をひいたので という文章を付け加えればいい、ということでした。
分詞構文も、考え方は同じです!
「文章のつけたし」と思ってください。従属接続詞はwhen if becauseなどの接続詞を付けましたが、「分詞構文」は接続詞をとって~ingかed (過去分詞)の形にするだけ!です。具体的な作り方は、下で「分詞構文の作り方」にまとめます。
例文を見ましょう。
Seeing the pictures, I remembered my childhood. 写真を見ていたら、子供の頃を思い出した。
この文章は I remembered my childhood (子どもの頃を思い出した)という完全な文章に、seeing the picture (写真をみていたら)という情報を付け足しています。
分詞構文の訳し方
基本的に従属接続詞と同じ考え方なので、時(when~時) 条件(if もし) 原因 (because なので) 譲歩 (though だけれど) のような意味になります。よって、when I saw the picture, I remembered my childhood. というように、書き換えができます。
文脈によっては、Because I saw the picture…写真を見ていたので…のように原因のように訳すこともできます。この「曖昧さ」が分詞構文の特徴と言えます。
どう訳してわからない…と悩んじゃう方。分詞構文は、あくまで同時進行の状況の「付け足しの情報」という基本にかえって、「~して」と訳せば何とかなります。上の例文だと、「写真を見て子どもの頃を思い出した。」という具合です。
そもそも、なんで分詞構文なんてあるんだろう・・・
なんとなく分詞構文ってものがわかってきたけど、なんでこんな曖昧な表現があるんですか?だって、英語って曖昧な表現を嫌いますよね?と思うと思います。
それでは、以下の文を比較してみましょう。
①Seeing him, she ran a way.
②When she saw him, she ran a way.
両方とも「彼女は彼を見て、逃げ出した」という意味になると思います。しかし、少し感触が違います。~ing は躍動感です。
①の文は、躍動感や、その時の緊張感が表現できるのです。彼女は彼に追われていて、見た瞬間逃げ出した!のような、ドキドキするー!のような感覚。
一方で、②の文章は、単に事実を描写しているだけです。彼を見たとき逃げ出しました。以上。 この感覚の違いです。
ですので、分詞構文は「物語」などでよく使われる表現です。臨場感を出すのに良い表現ですよね。
分詞構文の作り方
さて、それではザっと分詞構文の作り方を説明します。
分詞構文は現在分詞と過去分詞のパターンがあります。形容詞の後置修飾の時も同じでしたね。現在分詞と過去分詞の使い分けはいつも同じです。
現在分詞(ing)は、活動、動作が行われている真っ最中という「躍動感」
過去分詞(ed)は「~された」という「受け身」
このルールはいつも同じですので、イメージを大事にしましょう。
もう一つ大事なルールとして、2つの文(大事な文と、分詞構文の付け足しの文)の主語は同じ!ということです。
現在分詞
When I saw the picture, I remembered my childhood. 写真を見ている時、子供の頃を思い出した。
この文を分詞構文で書き換えます。
まず主語が同じであることを確認してください。両方 I ですね。 ①次に、接続詞を外します。 When I saw the picture,…. ② 次に主語を消します。I saw the picture,….
次に、③動詞を分詞にします。ingにします。Seeing the pictures,….
これで完了です。文全体を書くと…Seeing the pictures, I remembered my childhood. となります。
過去分詞
Because this book is written in easy English, it will be read by many people. 英語で書かれているので、その本は多くの人に読まれるでしょう。
この文を分詞構文で書き換えます。
まず主語が同じであることを確認してください。this book = it ですね。①次に、接続詞を外します。 Because this book is written in easy English, …. ② 次に主語を消します。this book is written in easy English, …
次に、③動詞を分詞します。考え方は同じです。動詞に~ingをつければいいわけですが、今回の動詞は is です‥be動詞の時は、beingの形にします。Being written in easy English, ….
これで完了でもいいのですが、beingは省略できます。ですので、Written in easy English, the book will be read by many people.とすればOKです。
ちなみに、あくまで、Being₊過去分詞(受け身)のときだけ省略されます。
Because he is rich, he is happy. という文章だったら、 Being rich, he is happy. となります。
接続詞+分詞構文
分詞構文の意味は「曖昧」でしたが、躍動感は出しつつも、「時」「なので」のような接続詞の意味は残したい…という時もありますよね。
その時は、接続詞を残す方法もあります。
例えば、When seeing the picture, I remembered my childhood. という感じでOKです。
よくTOEICとかでも、when ( ) the picture, I remembered…みたいになってて、( )に入るのはsee saw seen seeing どれでしょう?みたいな問題を見ますよね。
この時は、接続詞の後だから~ing、としてもいいですし、I remembered以下の文章は完全な文。それなら( )の部分は副詞。see と saw も入りそうだけど、主語がないから入らない。主語がないなら分詞構文だね。そしたら、seeing か seen。分詞構文は主語が一致だから、私が見られる、っていう受け身は変だから seeingだね。って考えてもいいですね。
まぁ、一番最高なのは、なんとなくseeingでしょ、ってできるのがいいですけど。
分詞構文の意味上の主語 「独立分詞構文」
分詞構文は長いですね。もう少しです。参考書とかに「意味上の主語」っていう言葉がでてきますが、「主語が違う場合どうしよう?」という話です。
Because it was Sunday, the shop was closed. 日曜なので、そのお店は閉まっていた。
分詞構文の作り方をもう一度復習しましょう。
①接続詞を消す。Because it was Sunday,…. ② 次に主語を消したいのですが、2つの文の主語が違うので残します。③動詞はwas なので、Being にします。受け身ではないので省略はしません。
まとめると、
It being Sunday, the shop was closed.
このように、主節と主語が違う場合、主語を残します。「独立分詞構文」とも呼ばれます。
分詞構文の否定
否定文はどうするんだろう??という場合も、深く考えなくて大丈夫です。
Because I was not busy, I went shopping. 忙しくなかったので、買い物に行きました。という文章を分詞構文にしたい場合。
①接続詞を取る②主語を消す。③動詞を~ingは同じです。
すると、Notはどうする?となりますが、Notは分詞の前に置くだけです!
Not being busy, I went shopping.
これでOKです。NotやNever の否定語は、分詞の前!これだけ覚えましょう。
分詞構文 having
Having ~から始まる分詞構文を見ると、なんか嫌な感じ…と思ってしまいますが、基本的に現在完了、過去完了の時 Because I have finished~ 、動詞がhave の時 Because I have alot of homework~など…は基本通り、接続詞を消して、主語を消して、動詞にing havingとすれば大丈夫です。
けれど、「主節よりも前に起きた出来事に~ingをつける場合」は注意が必要です。例えば…
Because I finished the work, I am free now. 仕事が終わったので、今暇です。
という文章では、仕事が終わった(finished the work )のは、I am free now(今暇です)よりも前のこと、です。 このように、時制にズレがある場合、Having を使います。
Having finished the work, I am free now.
となります。主節(I am free now )より、 時間が一つ古い場合はhaving を使う。 と覚えておきましょう。
これだけは暗記しちゃいましょう。 分詞構文の慣用表現
分詞構文の表現が慣用化されたものも多いので、覚えるだけで得する表現があります。日常でも使えますし、特に、英検などの作文で使える表現があるので、是非覚えてください。
Judging from~, S V. ~から判断すると
Generally speaking~、S V. 概して~
All things considered, S V. いろいろ考えてみるに
Speaking of~, S V. ~といえば
オマケ…分詞構文の語呂合わせ
最後に、ちょっとくだらないのですが、なんでこんなこと覚えてるんだろう?っていうことありませんか?私は高校の時の英語の教師が、分詞構文の意味を語呂合わせで覚えましょう。いって、黒板に「とじょげじょふ」と書きだしたのが何故か忘れられません。
英語を語呂合わせで覚えるのは本当に嫌いなのですが、何故か忘れられません…
ちなみに「と(時)じょ(条件)げ(原因)じょ(譲歩)ふ(付帯状況)」で「とじょげじょふ」の呪文です…ちょっとくだらないですが、もし高校生の定期テストで使える人がいらっしゃれば幸いです。
長くなりましたが、分詞構文は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。