日本人の英語を揶揄したアメリカンジョークで、こんなのがあります。

体調が悪く、うずくまっている日本人。そこにアメリカ人が、「How are you?(ごきげんいかが?)」と話しかける。顔面蒼白な日本人は、とっさに「I’m fine thank you. And you? (元気です、あなたは?)」と答えてしまう、というもの。

日本の英語教育は「I’m fine thank you.」という形だけしか教えないから、どんな状況でも「I’m fine thank you.」と答えてしまう、という笑い話だと思いますが、最近、これは笑えない、と思います。むしろ、緊急時でなければ、いつもI’m fine くらいがちょうどいい、と思います。

どういうことかと言うと、例えば、日本語で「元気?」と聞いて、「元気です」と答えられる日本人がどれだけいるか?ということです。

「I’m fine thank you.」と英語では答えていても、日本語だったら「毎日疲れます」「いやな奴がいて困ってます」と答えそうなものです。

私は小中学生と触れ合う事が多いので、子供だったら、「学校が疲れます」「先生が大嫌いです」「勉強ばかりで嫌になります」「勉強がわかりません」・・「元気です!!」といえる人がどれだけいるでしょう。

言葉が性格を作る

当たり前ですが、マイナスな言葉を吐いている生徒は、覇気がありません。もちろん、学力にも関係してきます

マザーテレサの有名な言葉に、以下のようなものがあります。

思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。

思考が言葉になり、言葉が最終的にその人の性格、運命になってしまいます。

一応「英語」という言葉を教える立場として、「言葉」は少し敏感です。

言葉には力がある、と私は信じる方です。

前の記事では、潜在意識、考え方が成績を左右する、といったことを書きましたが、「言葉の使いかた」は同じくらい重要です。

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塾でも、「言葉には気を付けましょう」と教えています。

言葉の力の実験

潜在意識、言葉の力、などと言っていると、怪しさが半端ではない塾ですが、言葉の力も実験で証明されていますよね。

自由研究などでやっている子供もいるそうですが、ご飯を3つにわけ、1つには「ありがとう」などのいい言葉をかける。2つ目には「ばかやろー」などのネガティブな言葉をかける。3つ目は「無視」をする。

そうすると、ネガティブな言葉をかけたご飯と、無視をしたご飯が、「ありがとう」と声をかけたご飯よりも、圧倒的に腐った・・という実験です。

ちなみに、一番腐ったのは「無視」だそうです。

これが本当なら、人間に対しても同じことが言えると思います。ならば、常に自分に対してネガティブな言葉をかけていたら、自分に少しずつ毒を与えているのと同じかもしれません。

勉強が一瞬でできなくなる言葉

いつも愚痴ばかりを言っていたり、否定的な言葉ばかりを言う子供には、「ネガティブな言葉は周りにも伝染するし、自分の力を弱めますよ」と言っています。実際、オーリングテスト(指でоの形をつくり、力を試す実験)などをすると、ネガティブな言葉を言った後は力が入りません。

話を勉強に戻すと、数ある勉強を出来なくするワードの中でも、選りすぐりのNGワードがあります。これは、私が身をもって体験済みなので、自信を持って言えます。

それは、「わかんね~~」という言葉。

これは本当に危険ワードで、このワードを口に出しただけで、塾代が無駄になる可能性もあると思います。

「わからない~」という言葉は、簡単に言ってしまいますよね。「わからないのだから、わからないといって何が悪い」という話ですが、簡単に言ってしまうから危ないのです。

かくいう私も、数学などの苦手科目では、「わかんない」の常習でした。末期になると、「何がわからないか、わからない」という状態になってしまいます。これは末期です。

「わからない」の危険性

「わからない」の何が危ないのか、というと、その時点で「思考がストップ」するからです。「わからない」といった瞬間、「もう考えるのやーめた」というモードになります。

私もこの年で数学や理科を見ると、よくよく考えればわかる・・と思います。それは歳をとれば思考力も上がっているでしょうが、当時は、「考え抜く」という事をしないで、「わからない」といって投げ出していた・・と思ったのです。

「わからない」は、思考がストップするサインです。

もう一つは、RASが閉じるからです。RASについては、毎回しつこいくらい書いていますが、「脳の情報フィルター」です。脳は、RASという「いらない情報は捨てる」フィルターのようなものを持っています。目に入るすべての情報を脳に入れてしまうと、頭が狂ってしまうからです。

「わからない」という言葉は、RASを閉じてしまうそうです。つまり、「これは必要のない情報」として、脳に入らなくなってしまいます。

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逆に、脳のRASを開く言葉もあります

それは、「なるほど~」だそうです。

もし、わからないことがあったら、とりあえず先生に聞いたり、調べたりして見て、1ミリでもわかったら、「なるほど~」と言ってみるのが良いと思います。

バカらしいかもしれませんが、「わからない」を連発するのか、「なるほど~」と言い続けるのか、この小さい差も、成績には大きな違いになって出てくると思います。