以前、aとtheの違いについて書きました。→簡単にわかる「aとthe」の違い
その時、a は数えられる名詞につく・・と書きました。さらっと書きました・・・けど、そもそも「数えらる名詞って・・」て思いますよね~だって、日本語にはそんなのありませんから!!
大事なのは「感覚」です。新しい言語を学ぶときって、知識も大事ですが、そのことば特有の「感覚」を身につけるのも大事です。
今回は可算名詞と不可算名詞の本質的な見分け方をシェアしていきます。
もくじ
よくある可算、不可算名詞の見分け方
よくある可算・不可算の見分け方は・・・数えられる名詞は1つ、2つと数えられる。不可算は形が一定ではなく、複数形にできない。・・これは受験英語や学校英語でよくある学び方です。
「感覚」がちょっと抜けている気がしますよね。
可算名詞は「ハッキリ」「クッキリ」「仕切り感」
可算・不可算感覚でよく聞くのは「半分に切ってみて、形状が変わってしまうものは可算名詞」というものです。例えば、水は半分に切っても「水」だから不可算。万年筆を半分に折ったら、もう万年筆とは言えなくなります。なので、可算名詞・・・という考え方です。わかりやすいとらえ方ですよね。けど、いちいち半分にしてもいられないので、この感覚を少し広げてみましょう。キャンディーは半分にしてもキャンディーですし・・
目の良い方はイメージ付きにくいかもしれませんが、私は視力が弱く、視力検査で一番上も見えない・・状態です。視力検査で「右」と答えたら、「ひらがなです」と言われたのが軽いトラウマです。「と」を「右」と答えたのです。
眼鏡をとると、世界がぼや~~って見えます。眼鏡をかけると「クッキリ」見えます。例えば、裸眼で犬を見ると、ぼや~っと見えますが、眼鏡をかけると犬の形がクッキリ見えます。
イメージ的には・・このように、カタチがはっきりわかるのが可算名詞です。なんのこっちゃ~ですよね。
例えば、かき混ぜた卵と、スーパーで売っている丸い卵があります。丸い卵は、かたちがはっきりしていますよね。かき混ぜた卵は、かたちがごちゃちゃで、ぼや~っとしてます。それが不可算名詞です。ちょっとわかりにくいので、たくさん例を挙げて説明しますね。
日本語にない感覚なので、わかりにくいですよね。「クッキリ、はっきり感」を言い換えると、「仕切り感」とも言えます。
子供が絵を描くとき、卵の絵を描くときは、まず鉛筆で丸く線で書きますよね。色を塗る場所の「仕切り」をつくります。形があるからです。ネクタイに卵がついている絵を描きたかったら、恐らく線で形(仕切り)を書かずに、とりあえず適当に筆で黄色く塗ると思います。
「幸せ」という名詞や「情報」は形がクッキリわかりますか??ぼや~っとしてますよね。典型的な不可算です。
さっきの「卵」と同じですが、玉ねぎはどうでしょう。テーブルに1つ玉ねぎがある・・とすると、1つの玉ねぎがクッキリ見えますね。それでは、スープの中の玉ねぎは??1つひとつの玉ねぎを認識できなくて、ぼや~っとします。なので、不可算として扱います。
この違い・・伝わっていただければ幸いです。
肉猫が好き?? 鶏一匹丸ごと食べる??
カタチがクッキリ決まる・・もうちょっと例を挙げてみましょう。 眼鏡をとって「ねこ」を見ると「ぼや~っと猫が見えます」猫好きの人は怒るかもしれませんが、猫の形が認識できない、けど生き物なのはわかる・・つまり・・「肉のかたまり!!」
ちょっと極端ですが、I like cat. というように、猫を不可算にしてしまうと・・・ぼんやり眼鏡をはずして猫を見ている状態・・「肉のかたまり」としてぼんやり見ている状態です。(肉はどんなかたちでも肉なので、不可算あつかいです)
このような理由で、catをa をつけずに不可算扱いにすると、「肉猫」が好き・・という意味になってしまうわけです。
眼鏡をかけて「クッキリ」猫としての「形」が見えれば、可算名詞の猫になります。a がどれだけ大事か・・なんとなくわかりますよね。
それでは、「わたしは鶏肉を食べました」という場合、I ate a chicken(可算) I ate chicken(不可算) でしょうか?
もうわかりますよね。可算名詞で言ってしまうと、聞いている人はどういうイメージをするでしょうか???・・・にわとり一匹を庭からとってきて、噛り付いた・・・口からは、にわとりの羽と血がこぼれ落ちている・・・怖すぎですよね~
なぜなら・・a chickenはくっきり「一匹のにわとり」と見えていますよね。可算名詞を使うとホラーになります。
不可算のchicken なら、ぼんやり「かたちのない鶏肉」となるわけですね。
わかりにくい不可算と可算名詞の見分け方
猫や鶏肉はわかりやすいのですが、難関大学の入試などで聞かれるのって、もっとわかりにくいのですよね。
noise(音)の various noises (可算)a lot of noise (不可算)の違い・・分かりにくいですよね。けど、これもクッキリ感、仕切り感で乗り切れます。
various noise は「様々な騒音」という意味になりますが、騒音1つひとつをクッキリ分けているので、数えらるんです。雑音の種類を仕切っているんです。a lot of noise は雑音の「量」にフォーカスしているので、ぼや~っと仕切ることができないんです。
a serious talkと much talkはどうでしょう?
a serious talk は、talkを「1つの会談」としてクッキリさせています。今日の会談、明日の会談・・仕切れますね。much talkは・・たくさんの「話し合い」(やりとり)。仕切ることが難しいですよね。AさんとBさんの会話のやり取りを、1つ2つ・・仕切れないですよね。
最期にa lot of experiences と much experienceは・・
もうわかりますよね。可算名詞は「個々の経験」が連想されますよね。一つひとつの経験を仕切ってます。much experience は・・「経験の量」のフォーカスしています。
不可算・加算の確認問題!
それでは、確認で以下の文章では可算名詞を使うか不可算名詞を使うか考えてみましょう。
①そこで「明かり」(電灯)が見えなかった。 I saw no (lights/light) there. ②そこで「光」が見えなかった。I saw no (lights/light) there.
答えは・・①は可算名詞のlights ②は不可算名詞のlightですね。電灯は1つ2つと数えられますし、ライトのかたちがクッキリしていて、ほかのライトと仕切りができますよね。 「光」というのは、ぼんやり~ですよね。形がクッキリしません。
①彼女は先週ピアノを買った。She bought (a piano / piano) last week. ②彼女は大学でピアノ科を専攻しているShe studies (a piano/ piano) in college.
いかがでしょう?①はピアノの形がはっきりしていますね。ほかのピアノとの仕切りもできます。よって、a pianoと可算名詞です。②はピアノ科というのは「ピアノについての学び」ぼや~っとしてます。「ピアノの学び」はクッキリ見えないですよね。
①私はニューヨークの学校に通ったI went to (a school / school) in New York. ②彼はニューヨークに学校を建てたHe build (a school / school) in New York.
ちょっと難しいですね。①は学校という建物に通った、という文章ではなく、「学校教育」を受けた。という意味になります。その場合、「学校教育」はクッキリかたちがわかりませんよね。よって、不可算のschoolです。一方、②は「建物」としての学校ですので、1つひとつ仕切れますし、クッキリカタチもわかります。
①昨夜ワインを飲み過ぎた I had (a lot of wine/ a lot of wines) last night. ②彼はたくさん良いワインを持っている He has (a lot of good wine / a lot of good wines).
①はワインを飲んだ「量」ですよね。水と同じで、ワインも液体ですので、クッキリかたちが見えません。なので、不可算です。②は、ワインの量ではなく、「種類」として見ています。なので、ワインの種類は仕切りができますので可算です。
可算名詞と不可算名詞の本質が見えてきましたでしょうか??今回もお役に立てれば幸いです。読んでいただきありがとうございます。