クリス・ロンズデール氏(言語学者)が提唱する、たった180日で英語をマスターする7つの実践方法とは

日本人は学校で6年間も英語を勉強しても、ちっとも話せるようにならない。よく聞く話ですよね。

6年って、かなり長いですよね。6年やってできるようにならないというのは、どう考えてもおかしな話です。おそらく、この記事をお読みの方の中のほとんどの方が6年間近く英語を学んできたのだと思います。

私も英語が好きで割と学校の英語の勉強をよくやった方だと思います。しかし…高校卒業までに、英語を「話した」経験は・・ほぼゼロ。相手の自己紹介を聞き取れない…なんてこともありました。今でこそ話せるようになりましたが、思えばムダな学習を多くしてきたな、と今だから気づくことが多々あるわけです。

そんな時、クリス・ロンズデールの提唱する「6か月で英語をマスターする5つの原則と7つの実践」という講義を見たのですが、自分の経験からも納得できることが多いので、シェアさせていただきます。

はっきり言って、かなり本質を突いた内容です。留学したい、英検1級をとりたい、TOEICで900点越えを目指したい、ビジネスで英語を使いたい…すべての英語学習者必見の内容です。こんな情報を無料で得られるなんて…英語学習者にとって、これほど良い時代は過去なかったはずです。

前提

才能は必要ない

まず、この原則と実践をお伝えする前に、クリスさんが強調するのが、「語学に才能は関係ない」というものです。確かに、才能がないから日本語が話せない、という日本人は見たことがありませんし、「言葉」は人間が共通して持つ能力であると言えますね。

私が海外で出会った日本人の中でも、「中学、高校と英語の成績は1、偏差値なんて40いかなかった」けど、ペラペラ英語を話している…という人を何人も見ました。むしろ、英語の成績が良かった‥という人でも話せない人は多くいます。

英語がペラペラの人は、きっと才能があるんだ…という幻想は捨てて、5つの原則と7つの実践を読み進めてください。

英語学習5つの原則

「すぐ忘れちゃう!」を防止する…注意力・意味・関連性・記憶 の関係

最初から分かりにくいですが、要は「自分の生存に関わるような情報は、記憶に残りやすい」ということです。例えば、森の中の「木」に引っ掻いたような跡があるとします。その時点で、ほとんどの人が気を留めることもないと思いますが、「熊が近くにいる」という情報を与えると、木の跡=熊 というつながりができて、記憶にとどまる、ということです。

留学で英語が伸びるのは、このためかもしれません。日本人とつるまない留学生は、英語は生活と密接に関連していると思います。まさに、生活するための言語、という関連性があるため、記憶に残るわけです。

社会人であれば、例えば車関係の会社の方でしたら、車に関連する英語を覚える。保険関係なら保険に関する英語を学ぶ。学生なら、試験に出るから‥というのも、自分の現状と関連しているので、覚えやすくなります。

英語は「道具」

2つ目の原則は、その言語を最初の最初から 「コミュニケーションの道」として使う、というものです。

中高生は、ほとんどの場合が「テストのため」に勉強しています。資格試験を目標にしている人も、同じ傾向があるかもしれません。私が「これをしていてよかったな」と思うのは、英単語、文法、構文など、こういうシチュエーションで使えるな、などというように、「コミュニケーション」で使うイメージをしていたことです。

これはかなり重要です。もっと言うと、覚えた単語、構文を会話を意識して「音読」して、「自分で英作して話す練習をする」というのが、英会話にかなり役に立ちます!

英語学習者にバカ売れしている「瞬間英作文トレーニング」でやっていることは似ています。

言語を無意識的に覚え、英語学習を加速させる

これは、自分のレベルより、ほんのちょっとレベルの高い英語を聞いた方がいいという原則です。重要なのは、自分が「理解できる」英語でなければ効率的に覚えられない、つまり、自分のレベルをはるかに超えた英語を学んでも習得しない、ということです。

「理解」できる英語を学習しましょう、ということです。このことについては、何冊も本が出ていて、特に第二言語習得研究の分野における第一人者、言語学者のスティーブン・クラッシェン氏による「理解によるインプット」 が有名です。

英検準2級の人が、急に1級の問題集に挑戦します!というのは止めた方がいいでしょう。

英語は筋トレだ!

英語学習は、ある意味スポーツのようなフィジカルなトレーニングとも言えます。英語を話す人の顔をジッと見たことはありますか??日本語を話す人の倍は口を動かしてるんじゃ??って思いますよね。

当たり前ですが、顔、そして口の周りには凄い筋肉があります。そして…英語を話すには、「日本語で使わない筋肉があります」クリスさんいわく、「顔の筋肉が痛くなる」くらいで、正しい発音をしている、ということになるそうです。

そして、もう1つ大事なのは、「人は自分が発音できる音でなければ聞き取れない」という説です。このことは少し疑問もありますが、少なくても、自分が理解できる音でなければ聞き取ることはできません。その、英語特有の「音」を理解するには、自分で発音のトレーニングをするのが最適です。

口のトレーニングで私が知る限りしっかりしている教材は「ネイティブスピーク」があります。ご参考まで。

外国語を学ぶ時の理想状態

最後の原則は「心理状態」です。これもかなり重要です。心理状態を言い換えると、「脳波」です。

急に何の話ですか?と思うかもしれませんが、ガンマ派、シータ派、アルファ派…などは聞いたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

どんな時に出るかというと、

ガンマ波は「憎しみや恨み」ベータ波は「イライラ、緊張」アルファ波は「リラックス、超集中」シータ波は「睡眠状態」デルタ波は「昏睡状態」
この中の「リラックス状態」アルファーはが、英語学習において最適だというのは、心理学、脳科学で証明されています。
 
追い詰められた状態で英語学習をしたり、嫌々やらされたり、ストレスを感じながら学習しても、定着は難しいということです。英語は難しくありません。今回紹介するような「楽な方法」でリラックスして学びましょう。
 
それでは、いよいよ具体的な「7つの実践法」をご紹介します!

7つの実践法

たくさん聞く

最初に、英語学習において、何よりも大事な点です

それは「聞く」こと。

え?拍子抜けなんですけど…と思うかもしれません。しかし、英語学習者が意外に気づいていない重要な点。それは「聞くことの重要性」です。クリスさんは脳を浸す、という言葉で表現しています。かなり的を射た表現です。

では、なぜ日本人は「音」の重要性に気づかないのか??・・それは「文字ベースで英語を学習する」義務教育の洗脳ともいえる学習習慣から抜けていないからです。衝撃的ですが、文字ばかりの英語が通用するのは、日本の学校、塾の中だけです。赤ちゃんがどうやって言葉を覚えたかを考えるとわかります。生まれてから、母親など、周りのひとたちの「言葉の海」で育つはずです。それから、最後に「書く」能力を身につけましたよね?

何故か、日本の英語教育は真逆。「視覚」から入るところに大きな問題点があります。毎日、英語を聞く。これは非常に重要なことです。

どんな英語を聞くか?を少し紹介すると、「自分の好きな分野、やり方」で聞いてください!いやいややっても続きません。先ほどのアルファー波状態と重なりますが、楽に、楽しく、やるのが一番です。

一番いい方法は英語の映画やドラマを見る方法です。まず字幕付きで見て、そのあとに英語だけで見る、というやり方をするのがお勧めです。参考までに、ネット上で映画を見れるサイトは…U-NEXTアマゾンプライム、などをお使いになられてはいかがでしょうか。

ボディーランゲージを身につける

ボディーランゲージという言葉を聞いたことはありますでしょうか?「大きい」と言いたいときに、手を大きく広げて、身体で言葉を伝えるような表現方法です。

これは英語学習と直接は関係ないかもしれませんが、日本人は話すときに「ボディーランゲージ」をあまり使いませんよね?けど、欧米人はびっくりするくらいボディーランゲージを使います。かなりボディーランゲージで溢れています。手を顔の前に横にしてヒラヒラさせたり、(びみょ~と言いたいとき)、何か言葉を引用したいとき、両手でピースマークを作って指を曲げたり…知っていると得するボディーランゲージが溢れています。

上で紹介した海外ドラマや映画で、ボディーランゲージのパターンを知ることは良いことですね!

単語を組み合わせる

日本人は「間違っていけません!」という教育を受けています。そのせいか、「間違える」ということに対して非常に恐れています。英語を話すときも、間違えたらどうしよう…とドキドキして話せない…というのはよく聞く話です。

日本にいる外国人って、結構自信満々に不完全な日本語を話しますよね??それがチャーミングに見えてしまうことさえあります。ワタシ~スキネ~ヤキニク~みたいな感じです。

日本人も少し、「伝わればいい」くらいの気持ちを持った方がいいかもしれません。単語を組み合わせれば結構たくさん表現できるものです。具体的な数字にするとわかりやすいです。

たとえば、動詞10個と 名詞10個と 形容詞10個だけで1,000の異なる文章が作れます。これって、けっこうビックリですよね。 I go の後に、トイレ、風呂…などを付け加えるだけで、急にパターンが増えます。次に紹介する、「基本単語」だけ使って表現を増やそうと思えば、いくらでも増えていきます。

「そんな単語、いつ使うの??」

日常会話の 85%をカバーするのに、どのくらいの単語が必要だと思いますか??なんと、1000語です。1000語は多いでしょうか?

英検3級(中学3年レベル)に必要な単語数は1250~2100と言われています。(英検HPより)ということは、中学英語の単語だけで、日常会話の85%をカバーできます!3,000語あれば日常会話の 98%をカバーできます。準2級くらいですよね。

留学するのにどのくらい英語が必要なのだろう…海外勤務で生活できるのかな…そう悩む人に、この「事実」を知ってほしいと思います。

つまり、クリスさんが言いたいのは、必要な1000語(核となる単語)に集中しよう!ということです。英検3級くらいの語彙だったら、できる気がしますよね??日本で上手に日本語を話す外国人も、よくよく聞いていると、そんなに難しい言葉を使っていないのがわかります。

具体的なステップは・・・まず、what is this?(これは何ですか?)How do you say…(…はなんて言うんですか?)のように、その言語を学ぶのに必要な言葉を覚えます。これは現在海外にいる、語学学校でネイティブに習っている…という場合に重要です。

2つ目のステップは「私」、「これ」、「あなた」、「あれ」、「あげる」、「暑い」、といった単純な代名詞、単純な名詞、単純な動詞、単純な形容詞を使って、言葉を作ります。これは、先ほどの「言葉を繋げる」というのと同じです。

最後の3つ目は「けれども」、「しかし」、「だから」のような接続語を使えるように練習します。接続語を使うと文章が論理的になり、さらに表現が膨らみます!

言葉の親を見つける:英語学校選び、塾選びで大事なこと!

子供が母国語を覚えるとき、母親の存在は言うまでもなく大きいです。

何故かというと、家族でしかわからない言葉も、母親ならわかってくれるという安心感。親も、ボディランゲージを使い、子どもが理解できるとわかっている単純な言葉で話してくれます。このような、「安心できる、理解可能なインプット」ができる環境があるので、話せるようになるわけです。

あなたという人に興味を持ち、対等な立場でコミュニケーションをとり、あなたがメッセージを理解出来るように注意を払ってくれるような、そんな「言葉の親」を見つけることが重要、ということです。大抵の場合、外国語を学ぶときに学校、塾、英会話スクールに通うと思います。そんなとき、どのような先生がいい先生か?という判断材料になると思います。

クリスさんは良い先生を見つけるのに4つの規則を紹介しています。

    • 突拍子もないことを言った時でも、あなたの言うことを理解しようと、一生懸命努力する。
    • 決してあなたの間違えを直さない。
    • あなたの言うことに対して、「言いたいのはこういうことですか?」と返してくれるて、あなたはフィードバックを活かして適切に応えることが出来る。
    • あなたにも理解できる単語を使って話してくれるのです。

この4点を基準にしてみてはいかがでしょうか?

顔の動かし方を真似る

次に、顔の筋肉を正しく動かすのが6つ目の実践です。先ほどの「顔の筋肉を使う」と通じますね。

先ほども書きましたが、英語で使う筋肉は日本語と違います!すごく舌を動かしたり、いつも使わない筋肉を使います。舌回しで小顔になる、のような話を聞いたことがありますが、英語の発音の練習をすれば小顔になるのでは?と思う程です。

顔の筋肉を正しく動かして、人々があなたの言うことを理解出来るような音を出すこと。これは重要です。発音、英語はスポーツですね。

理想はネイティブスピーカーの顔を眺めることですが、なかなか難しいですよね‥YouTubeも調べましたが、意外に網羅しているものがない‥先ほど紹介したネイティブの口の動きがCGで見れるサイトが一番近道かな、と思います。

日本語を経由せず、直接イメージで意味を思いうかべる

最後に…本当に重要な点です。「直接連想」‥何ですか?というと、例えば、appleって?と言われたら、たいていの人は赤いリンゴを想像すると思います。「リンゴ」という日本語を連想した人もいるかもしれません。

appleと聞いて、ダイレクトで赤いリンゴのイメージがつく、というのが大事です。難しい単語でも同じです。母国語にせず、直接イメージで覚える。これは本当に大事です。何故なら、私も○○の英単語の意味を教えてください、と言われて、日本語が出ないことがよくあるんです。ニュアンスはわかるけど‥日本語でなんだろう?・・みたいな現象です。

soonはsoonだし、result はresultなんです。fireだったら、パチパチ燃えるイメージを持つ、という感じです。これは訓練でできるようになります。もし、イメージがつかめなかったら、ピクチャーディクショナリー(絵がついている辞書)やイラスト記憶法のような単語集も参考になるかもしれません。

いかがでしょうか?結構英語ができる人が当たりまえにやっているけど、実はあんまり知られていない‥という内容ばかりなので、シェアさせて頂きました。

英語学習に役立てていただければ幸いです。最後までお読みいただきありがとうございます。




  • この記事を書いた人

ほんだくん

保有資格: TOEIC920点、英検1級 暗記に頼る文法ではなく、論理的に理解できる英文法を書いています。 長文読解が楽になるための文法、たんなるテクニックではなく、自信を持ってTOEICの文法セクションが解けるための文法知識を提供できれば幸いです。 その他、TOEIC900点越え、英検1級まで取得したノウハウを書いていきます。

© 2024 ひとり英語研究所