英検やTOEIC、受験の長文・・まず1文を正確に読むコツと4つ具体的な学習方法【精読】

今回の記事は、英語の長文を読む第一歩。どうやって一文を正確に読むか?という記事です。

こんな方のための記事です

  • 英文を誤読してしまう
  • 受験勉強で英訳問題で間違える
  • 正確に1文1文を読めるようになりたい
  • 帰り読みをせず、文の頭からスラスラ読めるようになりたい
  • 精読の勉強方法を知りたい

はじめに

今回大きく4つの方法をご紹介しますが、語学は「これだけやればいい」というものではありません。「○○するだけ」のような教材は、学習者に甘い幻想を抱かせるために人気があるのでしょうが、私はそのような学習法、教材は決して進めることができません。

つまり、文法ができる→構文を覚える→音読するというのは、すべて連動しています。文法を理解せずに構文だけ暗記しても効果が少ないですし、意味も分からずに音読だけしてもダメです。まんべんなくやって、使える英語力になっていきます。

この点は前提となりますので、くれぐれもご留意くださいませ。

文法 これが土台

まず大事なのは文法です。

リスニングや作文の学習方法の記事でも繰り返し書いていますが、やはりすべての学習のベース(土台)になる「知識」は英文法です。感覚的なところは音読やリスニングも重要ですが、知識として持っておいておくべきは英文法だと思います。空手で言えば、「型」です。

英文法をおろそかにして英語学習を始めるのは、ふにゃふにゃな土地に家を建てるようなもの逆に、英文法の「本質」を知れば、リスニング、ライティング、会話でも伸びるのが急激に速くなります。

鈴木拓先生のサイトから引用させていただきますが、以下の英文をサッと訳ができるでしょうか。

These immigrants accused of discriminating against white people are actually helping America's economy.

英文法を適当にやっている人は、「×これらの移民たちは白人に対して差別していると非難し、実はアメリカの経済を助けている」のように訳してしまいます。こういった誤訳が重なって、文章全体のポイントをおさえられなくなるのです。

この文は、accused of 以下が形容詞としてimmigrants を説明している、というポイント(目の付け所)を見抜けないためです。このようなポイントを細かく説明してくれる参考書はとても少ないのが現状です。

もっと困るのは、このような基礎を教わらず、やみくもに音読、多読に走ってしまうことです。これは、運転の基本的な方法や交通ルールを知らずに、公道をドライブするようなものです。

子供ならまだしも、時間のないサラリーマン、早く結果を出したい高校生や大学生にとっては、かなり遠回りすることだとご理解いただきたいと思います。

こういうのは、高校のリーディングでやったことがあるけど、わけわからなかった・・という方もいらっしゃると思います。先ほどのaccused ofというのは分詞という分野ですが、分詞を知るには「受身、形容詞、他動詞、後置修飾・・」など、関連する英文法を知る必要があります。それを知らず、accused ofは分詞だから後ろから修飾~だけで終わってしまうから、リーディングの授業は意味不明だったのです。リーディングは文法の授業ではないので、文法を丁寧に説明されなかった、ということです。

先ほど書いたように、英文法をしっかり説明している参考書は本屋さんには置いてありません。私も実際に使った教材ですが、読むための英文法教材は英語リーディング実践講座 44 以外は紹介できません。私はこの教材の作者、鈴木拓先生のおかげで、改めて文法を一から学習し、すべて体系的に整理できました。とても感謝しています。

これは「読むための英文法」ですので、もし、基礎的な英文もあやしい・・という方はゼロからの英語やり直し教室 から学習してくださいませ。

ここまでの「文法」は「型」ですので、高校生以上の学習者にとって、もっとも私が重要視しているところです。

構文(例文)を暗記する

次のステップは構文(例文)の暗記です。

今時、構文集の暗記ですか??と言われそうですが・・

ちまたには「英会話集」のような本がありますよね。これは、会話を暗記して、それを会話で使おう、というものだと思いますが、私のいう構文集の暗記の目的は全く違いますので誤解なさりませんようお願いします。

構文や例文の暗記というと、時代遅れだと思われる方も多いと思います。しかし、これも「ラクラク英語学習」の弊害だと思っています。

まず、英語学習の基本として、「暗記」と「理解」の両輪があって、初めて動き出す、自転車のようなものだとご理解ください。

先ほど紹介した「文法」は、「理解」の部分です。暗記の重要性として、「構文」の暗記は重要になります。ただ、繰り返しになりますが、会話や作文のため、だけではありません!

構文暗記の目的は・・・英文を見るとき、大きなカタマリで見ることができるようになるためです!

例えば、I like soccer. という文を見たとき、「私はサッカーが好き」って意味が言えると思います。(ある程度学習したかたなら)これができるのは、I like soccer.を一つの塊としてみることができるためです。Iは「わたし」likeは「好き」・・などと訳す方はあまりいないと思います。(全くの初心者の方は別です)

では、先ほどの文はどうでしょう?These immigrants accused of discriminating against white people are actually helping America's economy.

多くの方はThese immigrants accused of d・・くらいまでをカタマリで見ているのではないでしょうか?この文をサラッと訳せる人は、These immigrants accused of discriminating against white people areくらいまで1つのブロックとしてみることができます。上級者になると全文をブロックで読める人もいると思います。

なぜ、そんなことができるのでしょうか・・

理由は、例えばThe window broken by Mike will be fixed tomorrow.という文を暗記できているからです。

ただ暗記しているのではなく、最初のステップで説明した「文法」の理屈を知ったうえで暗記しているのです。このような英文のストックが多ければ多いほど、英語を見たときの反応が早くなります。

どうやって構文を覚えるか・・英語の構文集

どうやって覚えるか?という話ですが、会話などのアウトプット用ではないので、たくさんの例文を覚えればいいというわけではありません

根性がある方は500構文、のような参考書もかなり役に立つと思います。しかし・・私は「500」という数字を見た瞬間、イヤだな・・と思ってしまいます。

構文100、くらいだったら、覚えられるかもって思いますよね。お勧めは↓

この教材は説明も素晴らしいですし、量的にもちょうどいいと思います。ちょっと受験向けです。

もし、もっと気軽に簡単な中学英語で覚えたい・・という方は

こちらの参考書は「話すため」と書いていますが、中1から中3までの文法、約80項目の例文を10文ずつ載せています。本来の使い方だと、すべて覚えていくのですが、それぞれの項目の1文を覚えて構文集と使ってもかなり役に立ちます。

中学英語の例文集として、80例文を完璧に覚えるだけでも、今回の目的には十分です。

これらを使って、英語の構文をドンドン暗記しましょう。英文を見たとき、一文全部が見れるようになりますよ。

 

ここまではよくある学習方法です。

音読

ここからの方法は、あんまりいう人がいないかもしれません。

なぜなら、、効果を証明しずらいから。けど、、英語ができる人は当たり前にやっていることなんです。なぜなら、基本的に英語が好きだからです・・

長文をやるうえで、意外に軽視してしまう・・しかも、当たり前すぎて英語が得意な人が意外に教えてくれないこと・・・

それが音読です。

真面目に英文法を学んだ。構文を覚えた。ここまでやると、目に見えて効果がでます。「効果」というのは、訳ができる!という効果です。効果が出る分、すすめる方も多いですよね。

けど、まだスラスラ読めない、英検準一級以降の長い英文だと、まだキツイ・・そういう方は音読を取り入れてください。あくまで、文法がわかっていて、構文も頭に入っているのが前提です。

そのうえで、音読を取り入れると、黙読した英文が自分の血となり、肉となる感覚・・(笑) かなりわかりにくいイメージですが、そのくらい違うんです。

実際、音読と理解度の効果はよく言われていることですよね。小学生なんかは、音読を繰り返すと英語の訳ができたりします。これは本当です。

英文の文法と構造が理解できたうえで、最低10回は音読することをお勧めします。

騙されたと思って、やってみてください。

多読・多聴

ここまでが具体的な方法になります。

それからは、とにかく量です。読めば読むほど、英語を読むスピードは速くなります。

しかも、文法→構文→音読というステップを踏んだ人は、英文を読むスピードは倍速です

読むものは「興味があるもの」英語なら何でもいいと思います。

けど、皆様目的があるでしょうから、受験生なら過去問や問題集。TOEICや英検なら、過去問と英字新聞をお勧めします。

【参考】英字新聞は 

初級者(TOEIC~600、高校生)→Mainichi Weekly(毎日ウイークリー)(230円/冊 定期購読で8%OFF)

中級者(英検準2級~2級、TOEICで600点以上の方が800点を目指す)→the Japan times / The New York Times (156円/冊 定期購読で最大26%OFF) 

上級者(英検準1級、1級、TOEIC850以上)→TIME(310円/冊 定期購読で最大68%OFF)

単語は??と思う方はこちらの記事をご覧ください。

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今回も、まず1文を正確に読めるようになるにはどうすればいいんだろう・・という方にお役に立てる記事になれば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。




  • この記事を書いた人

ほんだくん

保有資格: TOEIC920点、英検1級 暗記に頼る文法ではなく、論理的に理解できる英文法を書いています。 長文読解が楽になるための文法、たんなるテクニックではなく、自信を持ってTOEICの文法セクションが解けるための文法知識を提供できれば幸いです。 その他、TOEIC900点越え、英検1級まで取得したノウハウを書いていきます。

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