英検2級に「要約問題」が入ってから、こんな声をよく聞くようになりました。
「45〜55語で要約って、どこを残してどこを削ればいいの??」
「そもそも英語で55語も書けないんですけど・・」
わかります。わたしも最初に見たときはギョッとしました(笑)
でも実はこの問題、毎回おなじ「金型」で作られているんです。
たい焼きって、中身があんこでもカスタードでも、形はぜんぶ同じですよね。
あれと一緒です。
話題が翻訳アプリでもSNSでもネットのレビューでも、流し込む型はまったく同じなんです。
先日、2級を受ける塾の生徒にこの金型をプリントで渡したところ、10分かからずに書き上げて「革命だ!!」と喜んでいました。
今回は例題を1つ使って、その金型をまるっとシェアさせていただきます。
まずは例題・・この英文で考えます
説明だけだとピンとこないと思うので、先に例題を置いておきます。
例題:次の英文を読んで、その内容を45〜55語の英語で要約しなさい。
Communication between countries is very important today, and it influences how people connect. Technology offers tools for this, including programs called translation apps. Many learners and travelers are using them more and more in a variety of situations.
【第2段落】
What are the good things about using these apps? First, translation apps give people quick help with unfamiliar words. This helps travelers understand signs or ask for directions. Also, they let people from different places talk more easily. People can make new friends, even if they do not speak the same language.
【第3段落】
On the other hand, there are also problems with these apps. Sometimes, they make mistakes or misunderstand what people mean. In such cases, they can cause serious misunderstandings between people. Moreover, using them too much can have a negative effect on language learning. If learners overuse these apps, they may not be able to learn new words.
どこがメリットで、どこがデメリットか・・ちょっと考えてみてください。
このあと、この1題を使って手順を順番に説明します。
先に答えを言ってしまうと、金型はこれだけです。
これが金型・・3つのルール+仕上げ
金型その2:メリット2つは 主語 + V1 and V2 で1文にまとめる
金型その3:デメリット2つも 同じ形 で1文(However で始める)
仕上げ:数えて 53語に届かなければ、デメリットを2文に割る
本文は「3段落」でできている
まず本文の作りを見てみましょう。
この手の英文は、ほぼ100%こういう作りです。
第1段落・・話題の紹介(最近こういうのが増えてます)
第2段落・・いいところ(メリット)が2つ
第3段落・・こまるところ(デメリット)が2つ
そう、メリット2つ・デメリット2つ。これで話が終わります。
ということは、要約で拾う情報も たった4つ。これに「話題」を足して、ぜんぶで5つです。
例題の英文を1文ずつ仕分けると、こうなります。
本文 役割 要約では
【第1段落】
Communication between countries is very important today, … 大きな前フリ 捨てる
Technology offers tools for this, including … translation apps. 話題にしぼる 捨てる
Many learners and travelers are using them more and more … 話題(3文目) 拾う
【第2段落】
What are the good things about using these apps? 合図(疑問文) 捨てる
First, translation apps give people quick help with unfamiliar words. メリット① 拾う
This helps travelers understand signs or ask for directions. 具体例 捨てる
Also, they let people from different places talk more easily. メリット② 拾う
People can make new friends, even if … 具体例 捨てる
【第3段落】
On the other hand, there are also problems with these apps. 合図(逆接) 捨てる
Sometimes, they make mistakes or misunderstand what people mean. デメリット① 拾う
In such cases, they can cause serious misunderstandings … ①の結果 語数が足りないとき使う
Moreover, using them too much can have a negative effect on language learning. デメリット② 拾う
If learners overuse these apps, they may not be able to learn new words. ②の補足 語数が足りないとき使う
13文のうち、拾うのはたった5文
「え、そんなに捨てていいの・・?」って思いますよね。
いいんです。要約ですから(笑)
金型その1・・第1段落は「3文目」だけを使う
POINT|金型その1
3文目をほぼそのまま書き写して、them / it / this を具体的な名詞に戻す
第1段落って、ふつう3文でできています。
1文目がおおきな前フリ、2文目で話題にしぼって、3文目で「最近これが増えてます」。
このうち、要約に使うのは・・
第1段落の3文目だけ
1文目と2文目は、ばっさりいきましょう。
3文目をほぼそのまま書き写して、ひとつだけ直します。
それは、them や it や this を、ちゃんとした名詞に戻すこと。
例題だと
要約:Many learners and travelers are using translation apps more frequently.
ついでに more and more を more frequently に縮めています。
金型その2・・メリット2つは「主語 + V and V」で1文に
POINT|金型その2
形は 主語 + 動詞① … and 動詞② …(主語をそろえて、動詞を and でつなぐ)
具体例の文(This helps … / People can …)は入れない
メリットは2つありますが、1文にまとめちゃいます。
やり方は決まっています。
主語 + 動詞① … and 動詞② …
主語をそろえて、動詞を and でつなぐ。それだけです。
例題の First の文(すぐ単語がわかる)と Also の文(違う国の人と話しやすい)をつなぐと、こうなります。
例題だと
(知らない単語の理解を助けてくれて、そして人と話しやすくしてくれる)
これでメリット2つが1文に収まります。らく〜ですよね。
金型その3・・デメリット2つも「同じ形」で1文に
POINT|金型その3
デメリットの文には can / may / could / might を必ず入れる
学校だと「デメリットは However で始めて、また別の文で・・」と律儀に書きたくなりますよね。
でも実は、デメリットもメリットと同じ「主語 + V and V」でいいんです。
例題の Sometimes の文と Moreover の文をつなぐと、こうなります。
例題だと
(深刻な誤解を生むことがあり、そして使いすぎると語学の学習に悪い影響が出るかもしれない)
メリットの文と骨ぐみがそっくりでしょう??
ちなみにデメリットの文には、can / may / could / might のどれかが必ず入ります。「〜することがある」「〜かもしれない」と、断定しない書き方なんですね。
仕上げ・・数えて、足りなければデメリットを2文に割る
POINT|仕上げ
53語に届かなければ、デメリットを However と Also の2文に割る
割った文に、とっておいた「結果」「補足」の文を which / as でつなげて戻す
3文で書くと
② They help people understand unfamiliar words and let them talk more easily with others.
③ However, they can cause serious misunderstandings and may hurt language learning if people use them too much.
この3行が金型のぜんぶです。覚えちゃいましょう。
数えてみると・・41語!?
・・で、数えてみると、41語。
あれ、足りない・・!!
4つの論点はちゃんと入っているのに、このあと説明する目標の53語に届きません。
こういうときは、デメリットを However と Also の2文に割って、さっきの表で「語数が足りないとき使う」にした2文を戻します。
4文にすると(55語)
② They help people understand unfamiliar words and let them talk more easily with others.
③ However, they can produce inaccurate translations, which may cause serious misunderstandings.
④ Also, using them too much can negatively affect language learning, as learners may not be able to learn new words.
which で「その結果」、as で「理由」をくっつけて、55語。
じつはこれが、この問題の実際の模範解答そのものなんです。
最近の問題の模範解答を数えてみると、3文で書いたものと、デメリットを2文に割って4文で書いたものが、ちょうど半々でした。
なので、こう考えてください。
まず3文で書く → 53語に届かなければ、デメリットを2文に割る
これがいちばん確実です。
語数は「53〜55語」をねらう
ここ、いちばん大事なところです。
指示には「45〜55語」と書いてあります。じゃあ45語でいいのかな・・と思いますよね。
でも、最近の問題の模範解答を4つ数えてみたら、こうでした。
54語 / 55語 / 55語 / 55語
・・ほぼ全部、上限にはりついています。
メリット2つ・デメリット2つをきちんと書くと、自然にこの長さになるからなんです。
じつは少し前の問題では「語数の目安は45〜55語です」という書き方で、45語や49語の模範解答もありました。
でも語数の指示は、どんどん細かくなっていると言われています。だからいまは、53〜55語をねらうのが安全です。
語数のチェックポイント
53〜55語・・ゴール!!
56語以上・・それだけでアウト。具体例や形容詞を削りましょう
ここをサボると、内容が良くても点になりません。
足りないときの「ちょい足し」
「4つ入れたけど、なんか短いな〜」というときの小ワザも置いておきます。例題で使った which と as もここに入っています。
ちょい足しの小ワザ
because / as で理由をそえる
by ~ing で「〜することで」
such as ~ing and ~ing でメリットを名詞っぽく
困ったときだけ、そっと使ってください。
まとめ・・解き方の5ステップ
新しい英文を見たら、いきなり書き始めないでください。
解き方の5ステップ
② 第1段落の3文目と、メリット2つ・デメリット2つ、あわせて5か所に線を引く
③ 金型に流し込んで3文書く(話題/メリット and/However + デメリット and)
④ 1語ずつ数える
⑤ 53語に届かなければデメリットを2文に割る。56語を超えたら具体例を削る
これがこの問題の、いちばんおいしいところだと思います。
今回も最後まで読んでいただいてありがとうございます。