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形容詞編 その1 前置修飾とは (前置修飾する形容詞の語順と、形)

形容詞の全体像  

今回は形容詞の一回目です。今回は前置修飾をまとめます。前置修飾というのは、日本語と同じで「前から」名詞にくっつくイメージです。そもそも、修飾って何??という方は「修飾とは」のページをご覧ください。

例えば、「ペン」というのは名詞です。これに「あかい」という形容詞を名詞のつけると「あかいペン」となります。このあかいという語が名詞の前に置かれるので前置修飾と言います。

英語の形容詞の順番

この便利な形容詞ですが、順番にルールとは言わなくても、一般的な傾向があるようです。ちなみに、ある程度の自由度はあり、厳密な規則、という程ではありません。

主観→客観的→属性・用途

いろいろと細かく順番を分類している本を見ますが、いちいち細かく分類しても覚えきれないと思います。大きく見て、主観的→客観的→属性・用途の順番が基本となります。以下、例です。

主観的な形容詞は…good,poor,beautiful, handsomeなど

客観的な形容詞は…大きさ:small, hugeなど 形:round,flatなど 古さ:new,oldなど 色:red,blackなど

属性・用途は…所属:Japanese, Australian, Chinese など 素材:wooden, cottonなど  用途:drinking, walkingなど

「ピノキオ」の物語でも、a beautiful(主観) paper (素材)clothes. という表現がありました。

語順の例外

しかし、さきほど厳密な規則はない、と書いた通り、絶対その順番、というわけではありません。

例外的に、「表現者の関心によって」順番が変わる場合もあります。(表現英文法 GFEより)

通常、「美して古い家」だったら、a beautiful old house となりますが、もし、美しい家が何軒もあって、その中で一軒古い家がある場合、 an old beautiful houseということもあり得るわけです。

つまり、beautiful がhouseのとなりにくることで、「美しい家」という言葉が一つのかたまりになるイメージです。

a beautiful old houseだと、「古い家」がすぐ感じ取れます。よって、何軒かの「古い家」があるのが想定できます。その古い家の中に一軒美しい家があるイメージです。一方、an old beautiful houseだと、beautifulが名詞の前にあるので、「美しい家」という言葉が中心に感じます。そのため、何軒も美しい家があることを想定できるわけです。その中に「古い」が加わった感じです。

ややこしいですが、日本語でも「大きな素敵な家」と「素敵な大きな家」ではニュアンスが違うと思います。素敵な大きな家だと、「大きな」というイメージをまず感じるのではないでしょうか。

★次にご紹介するのは、「分詞」と「動名詞」が形容詞のように前置修飾するカタチです。

まず、分詞とは何でしょう…

次に、分詞が前置修飾になるパターンです。「分詞が前置修飾」と聞いた瞬間、日本語で言ってください、と思った方は正常ですのでご安心ください。

そもそも、「分詞」という謎の言葉は何か・・ということを知る必要があります。

分詞は動詞の「doing」(現在分詞)あるいは「done」(過去分詞)の形で、動詞的であり、形容詞的でもあります。

…なんのこっちゃですね・・

動詞的に使われる場合

けれど、中学の文法をやられた方は、「進行形」と「受け身」は薄っすら覚えていると思います。その時に現在分詞と過去分詞は出てきていました。

進行形

進行形は、ざっくり言うとbe動詞 (am are is) の後に現在分詞(動詞+ing)がついて「今~しています」という意味になる文法でした。

例 I play tennis. (私は(習慣的に)テニスをします)→ I am playing tennis. (私はテニスをしています

受け身

受け身は、be動詞の後に過去分詞(doneの形)がついて「何かが(すでに)なされた状態」を表す文法です。

He broke the window.(彼は窓を壊しました)→ The window was broken by him. (窓が彼に壊された状態です。 (壊されました))

進行形も、受け身も、動詞的に使われていますが、動詞はあくまでBe動詞です。 Be動詞からかれたなので、分詞ともいえます。(レキシカルグラマーへの招待より)

形容詞的に使われる場合

それで、今回の形容詞的に使われる場合ですが、進行形と受け身をまとめると

be+doing(現在分詞)→ 何かを目の前でしている状態にある「躍動感」 (進行形) be + done(過去分詞) → 何かが(すでに)なされた状態にある (受け身

現在分詞(~している)+名詞

a barking dog 吠えている犬 an exciting game (ワクワクする試合)などのように、名詞の前に現在分詞のdoingがついて、「~している名詞」のように形容詞的に名詞にくっついているのがわかると思います。

ターゲットの名詞が「~している」という関係で使われます。

過去分詞(~される)+名詞

spoken language (話される言葉=話しことば)a used car (使われた車=中古車)など、「~された」という過去分詞が形容詞のように名詞にくっついています。

ターゲットの名詞が「~された」という関係で使われます。

これが、現在分詞と過去分詞が形容詞的に使われるパターンです。

形容詞的な分詞

I know the running girl. 私はその走っている女の子を知っています。

女の子(girl)は走っているので、runningの形になります。 形容詞的に使われ、「走っている女の子」となります。
 
This is a broken car. これは壊れた車です。
車(car)は「壊している」のではなく、「壊された(状態にある)」ので過去分詞になります。形容詞的にcarにつき、「壊された車(壊れた車)」となります。
 
 
分詞は以上になります。動詞が「している」「された」という意味で、be動詞と分かれて形容詞になります。
 
 

動名詞+名詞の場合

He is in the smoking room. 彼は喫煙所にいます。

この例文はどうでしょう。分詞と考えると、たばこを吸っている部屋?と謎の意味になります。

実は、smoke(煙草を吸う)という動詞が名詞化した「動名詞」と解釈ができます。動名詞が名詞で使われるパターンはこちらに書いています。

つまり、例文はa room for smoking というように、名詞として解釈されているわけです。

分詞とも動名詞ともとれる場合もあるので、文脈で判断しましょう。例えば a moving van は、分詞だったら「動いている車」動名詞だったら「引っ越し用の車」というようになります。

用途、使用目的で使う場合は動名詞として解釈した方がいいです。

 

今回も最後まで読んでいただいてありがとうございます。

 

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