英検1級を目指している人は、「単語」の難しさに悩まされると思います。英検ホームページによると、英検1級に必要な単語数は10,000~15,000単語だそうです。
ちょっと1万単語なんて・・、無理・・と思う人もいるかと思います。私もそうでした。とてもではないですが英検1級の単語は多すぎて無理だと思っていました。英検1級の勉強を「根性勝負」と勘違いして、ひたすら単語集を覚えようとしたこともあります。
私は英検1級の合格までにかなりのお金もかけましたし、時間もかけました。
最期に理由は書きますが、英検1級の単語はネイティブも知らないものもあります。受験勉強のノリで「すべて覚えよう」と頑張ると、かなりの確率で続きません。結果、英検1級をあきらめる。。ということになります。大事なことですのでもう一度書きますが・・英検1級は単語が難しい・・だから、単語をたくさん暗記しまくろう!とすると、絶対続きません!!!苦行になるのですぐ考え直して下さい!!!
そのなかで多くの無駄な時間、資金もかけたと思います。これを読んでいる方にはできれば無駄な時間や努力をせず、最短距離で英検1級に合格してほしいと思います。そのために、私が実際に合格のためにやってよかった、という情報のみお伝えします。
こんな方のための記事です
- 英検1級の単語の勉強法を知りたい
- 英検1級の単語に対する考え方を知りたい
- 効率のよい単語の暗記法を知りたい
無駄な単語学習はやめましょう
私は英検1級に3回目で合格しましたが、思えばかなり無駄なこともたくさんしてきました。そのうちの一つは「英検1級パス単」だけで単語を乗り越えようとしていたことです。とにかくボロボロになるまで「英検1級パス単」という参考書を何度も何度も覚えようとしていました。非常に昭和時代っぽい英語学習ですよね。
英検2級くらいまでなら「パス単」を暗記すれば突破できると思います。しかし、1万文字の英単語を単語集で覚えようとするのは、かなり無理があります。
断っておきますが、「パス単」が悪い、と言っているわけではございません。「使い方」の問題です。
単語だけで覚えない
京都大学教授、中森誉之さんが書かれた「外国語はどこに記憶されるか」という本があります。それによると、
理論的にも、(単語の暗記が)外国語を使いこなす能力に転化される可能性は低く、学習者自身の経験からも自明の理と言って過言ではない
と述べられています。この点は私の経験からしても完全に同感です。そもそも、人間の脳は「単語の羅列を暗記できるようにできていない」というのは事実のようです。少なくても私には無理でした。
「いやいや、1級受かった人はみんなパス単を使ってますよ?では、単語帳はどうすればいいのですか?」
と思われると思います。みんなパス単を使っているのは事実です。しかし、パス単「だけ」で1級の英単語をマスターしているわけではないのです。
それでは、なんの目的でパス単を使っているのですか?というと「すでに知っている、どこかで見たことのある単語を整理・復習するため」に使っているのです。ストックする目的で何度も見ている、とも言えます。1級の超大な単語を単語集でなんとかしようとするのは、やめましょう。
これが2級までの英検学習者と準1級・1級合格者の「単語帳」の使い方の違いです。
単語は読み・聞きながら覚える
それでは、どうやって1万語覚えるのですか?という話になります。
結論から言うと、「多読・多聴」で単語は増やします。厳しいように聞こえるかもしれませんが、たくさんの英語を聞いたり読んだりせずに1級の合格は無理と言えます。ただ、読み方のテクニック的な部分はありますので、そのあたりは「読解編とリスニング編」でお伝えします。
けど、英字新聞を読みまくっても、読解には役に立っても、試験にでる単語を網羅していないかもしれない・・と思いますよね。
- 1級の単語が網羅されている
- リスニングと長文を両方伸ばせる
- 1級用の長文になれることができる
- 単語の文章の中での「使われ方」もわかる
という方にいい教材があります。「文で覚える英単語」という参考書ですが、英検1級で出てくる単語が入った長文がたくさん載っている本です。文章を読みながら、そこに出てきた単語を覚えるので、単語の羅列よりは覚えやすいと思います。
この本にはCDがついているので、それをシャドーイング用に使うとリスニングも伸びます。(シャドーイングについて書かれた記事はこちら)
シャドーイングをすると同時に文の音読もできるので、文章が自分の中に入ってきます。結果単語力も増えてきます。単語が増えてきたら、「パス単」で忘れないための努力をしましょう。
注:英検1級は単語集からしか出ないわけではありません。もちろん、↑の単語集で網羅できない単語もあります。そのための本もご紹介します。
さらに語彙力を高めるために「1100 words you need to know」という本も私は使いました。この本はかなりマニアックな単語が多く出てきます。この本は海外の本ですが、本の構成がとても使いやすいです1日1ページ(1つの長文と5単語)を学べるように作られていて、46週間で1冊できるようになっています。読み物としても面白いので、1日1つの短いお話を読んで、5つの単語を覚える、というようにコツコツ毎日やるとかなり力がつきます。毎日、穴埋めの単語問題もついているので、復習にも使いやすいです。
日頃の多読習慣+「文で覚える英単語」「1100 words you need to know」で読む習慣をつける、そして「パス単」で整理・復習をするというサイクルを回せば単語は大丈夫です。
接頭語、語源を意識する
単語を見て、私が心がけていたのは、「語源」を意識する、ということです。
vocabulary (語彙)という単語だったら、vocという部分が語源です。
以前はアルクのサイトで語源辞典みたいのがあったのですが、今は無いようです・・残念。
オンラインで検索するなら、Online Etymology dictionary というサイトが使いやすいと思います。試しに、vocabulary という単語を検索すると、Vocという語は"to speak"話すことを意味するというのが分かります。
確かに、語彙は「話すこと」と無関係ではないですよね。ほかにも同じ語源の単語が出てきて、例えばvocal は歌を歌うボーカルですよね。声を出しますね。advocateは主張する、という意味です。adは「前に」vocは「話す」ですので、「主張する」「提唱する」というのは、なるほどですよね。univocal?なんて単語は初めて見ましたが、uni(1つの)uniformのuniです。そしてvocal・・一つしか言わない?意味は「単意」とか「(いみが一つだから)間違いようがない」ということになります。
語源を知ると、未知の単語も予想できますし、関連して新しい単語を知ることもできるので、必須だと思います。私はよく「1100 words you need to know」に出てきた単語の語源を調べていました。一見謎な単語も、語源を見ると覚えやすくなります。
本だったら「英単語の語源図鑑」です。100の語源で10,000単語が身に付く!と謳っていますが、語源の威力は大げさでなく、そのくらいあります。
長文の中でわからない単語を見ても気にせず読む
大問1の単語・文法問題はある程度知識勝負になってしまいますが、「長文」の中でわからない単語が出ると読めない・・という人もいると思います。
そういう方は、日ごろ英字新聞や英語のペーパーバックを読むときに「辞書」をひいていませんか??日頃から辞書を引かずにわからない単語は無視して多読するといいです。そもそも、「多読」というのは、辞書を引かずに読みまくることを言います。どうしてもこの単語の意味が知りたい・・というときは辞書を引きますが、基本は辞書なしで読むことをお勧めします。辞書を引いていません、という方は、もう少し多読が進めば読解もよくなると思います。
多読のほかに大切なこともあります。
詳しくは「長文読解編」で書くと思いますが、長文はただ読むのではなく、「文と文の関係」「段落と段落の関係」を意識して読むのが大事です。その癖がつくと、前後の文脈でわからない単語の意味を予測できるようになります。
詳しくは、パラグラフリーディングの読み方の記事で書いています。英検1級の単語をすべて知ろうとすると、確実に続きません。
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