比較級は何かと比べるとき、erを付ける。「一番」というときはthe とestをつけると最上級になります。
中2くらいでみんな学ぶ内容ですね。けれど、最上級でもthe がつかないこともありますし、比較級にもthe がつく場合がある・・と言われたらどうでしょうか。
英文法でよく聞く「例外」でしょうか。実は、the がつく、つかない、にも理由があります。
比較級とは?
まずは、比較級についてかるくご説明いたします。
比較級とは
Mike is tall.マイクは背が高い。 という文章があるとします。「比較級」は、他のものと「比較」するときに使います。ですので、もし、「マイクはジムよりも背が高い」と言いたい場合、比較級の出番です。
作り方は、Mike is taller than Jim. (マイクはジムよりも背が高い)のように、tallにerを付けて、thanを使います。
もし、famous (有名な)のような2音節の形容詞はmoreを付けます。Mike is more famous than Jim. (マイクはジムよりも有名だ)のような感じです。
2音節、と言われると意味がわからないので、-ful, -ish, -al, -ic, -ous, -lessなどで終わる語、と考えても大丈夫です。長い形容詞、とざっくり考えてもオーケーです。
最上級とは
同じように、最上級という文法もあります。
Mikeはクラスで一番背が高い、のように、「一番」という時です。その時はthe とest を形容詞につけます。Mike is the tallest in the class.のような感じです。
クラスの中で、アメリカで、のような空間が意識されるときは「in」、3人の中で、のように、数字がくれば「of」をつける、と習いますね。
、-ful, -ish, -al, -ic, -ous, -lessなどで終わる語のときは、mostを使います。
ここまでは、比較級で習う内容です。少し話を進めて、今回は、なんでthe を付けるのか?比較ではthe は絶対付けないのか?という話をしていきます。
最上級では必ずtheなのか??
そもそも、the とは
それでは、最上級でthe がつく理由ですが、前提としてthe とはどういうものか?を知る必要があります。余裕がある方は↓の記事をご覧ください。
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一言で言うと、the は「スポットライトが当たっているイメージ。話し手も、聞き手も、あ~それね!」とわかる言葉につく」というイメージです。
I met a man in the store yesterday. 「会った男の人は話の中で初めて出てきた人です。」聞いている人は知らない人ですので、「あぁあの人ね」という風に思いませんよね。
共通して「あの人」と思えないのでa boyとします。
そのあと、その男の人は素敵だった。という場合・・・ The man was so nice.となります。 一回話に出てきた男の人なので、聞いている人も「昨日お店で会った男の人ね」というように決まった人になりますよね。なので、the がつきます。
同じように、「1つだけの物」、例えば、太陽(the sun)とか、地球(the earth)とかにもつきます。1つしかないので、話し手も聞き手も、「あ~それね!」と思いますよね。the sun(太陽)と言われて、「どの太陽?」と思う人はいないと思います。
the は「話し手も、聞き手も共通してわかる『それ』」「世の中に一つしかないもの」につく。そして、今回意識してほしいのは、当たり前のことですが、theは名詞につく、という点です。aと同じ冠詞ですから、それはそうですよね。
最上級のtheはなぜつくか
theの説明をしたので、勘のいい方はわかるかもしれません。つまり、最上級は、「一番」という意味ですので、「一つだけのもの」the sunの使いかたと同じように、限定するthe を使っているんです。もちろん、「一番」ということは、話し手も聞き手も「あ~それね」となりますよね。
なので、最上級はthe がつきます。
the がつかない最上級
では、the がつかない場合は?という話ですが・・
例えば、He runs fastest in his class. は、He runs the fastest in his class. とすべきでしょうか??
結論から言うと、「つけなくてもいい」んですね。
なぜなら、the は「名詞につく」のが基本ですよね。the pen とか、the beer など… He runs fast の fast は・・・「副詞」です!と、いうことは、そもそも副詞にthe をつけなくてもいいよね?という話になりますね。
I wake up earliest in my family. のearliest も副詞ですのでthe がついていないですね。
実際、the fastest と使われることは多いと思います。けど、英文法を学ぶときは、このような細かい品詞の感覚まで意識するかしないかでは大違いです。
学校の英語では「最上級はthe をつけましょう」と習います。もしかすると、He runs fastest in his class.とかくと、「○○君、最上級なのだから、theをつけてください。ケアレスミスにはホント気を付けてね!」なんて言われているかもしれません・・・けど、本来的には副詞なのですからthe を付けないのが正解です。
形容詞のthe は注意
副詞の場合はthe をつけても間違いではありません。けれど、形容詞の場合は別です。
1 He is the happiest of the four. (theをつける)彼は4人の中で一番幸せだ。
2 He is happiest when he is listening to the Beatles. (the をつけてはダメ)彼はビートルズを聞いてる時が一番幸せだ。
1の文章はtheが必要ですが、2の文章はthe をつけてはいけません。
まず、なぜ1の場合はthe が必要か?です。1は、happiestのあとに名詞が省略されています。happiest (boy)のような感じです。なので、名詞に転用されています。「他者との比較」の場合は「一番幸せな(男)」のように、名詞を意味に含むためです。
2の場合は、他者との比較がないので、名詞的な使われ方はされず、形容詞としての機能しか持てません。ですので、the はつかない、、というわけです。
比較で the を使う時
最上級はthe をつける・・と同じように、「比較級ではthe をつけません」と機械的に暗記させられると思います。
けど、そんなことはありません。
例えば、He is the taller of the two brothers. 2人の兄弟のうち、彼の方が背が高い
比較級なのに、しっかりthe がついています。なぜなら、「2者(of the two)での比較だからです」2つのうち・・という限定があるので、背が高い方は、「その人!」と、一人、スポットライトがあたります。なので、the がつくんですね。
いかがでしょうか。比較のthe、暗記に頼ると少し危険な気がしますよね。