「助動詞」というのは、中学生などからすると簡単な文法の部類に入るかもしれません。
I play tennis. 私はテニスができます に can を付けると → I can play tennis. 私はテニスができます。
という具合に、動詞に意味を付け加えることができる(動詞を助けている)便利な文法です。基本的に暗記すればいいので、暗記が好きな人には、簡単な文法ですよね。
けれど、高校以降になると、急に面倒になります。なぜなら、「助動詞の過去形」という考えがでてくるためです。can の過去形は、could。mayの過去はmight(過去形ではないと思うのですが・・)など
have+完了形にすると、助動詞も過去形にできます。と習いました。
そうなるとあらたな疑問が浮かびますよね。might と may have は同じなのか?could と could have は同じなのか?という疑問です。
mayとmightの違い
そもそも、might はmay の過去形だという認識は持たない方がいいと思います。そもそも、両方とも「~かもしれない」という現在形の意味です。
mayは「~してもよい」という意味もあります。mightは「過去の許可」を表すことはできません。
×He might play games whenever he wanted to. 彼はしたい時はいつでもゲームができた。 というのはできません。この場合はcouldか was allowed toを使う必要があります。
*学実的な文献などでは過去の習慣的な可能性については使えるそうですが、一般的では使われないと思っていた方がいいと思います。
この時点で、mightはmayの過去、というのはムリがある気がします。
Mightが「mayの過去形」として使われる時
mightが過去の形で使われるのは時制の一致か仮定法の場合くらいです。
時制の一致の場合
時制の一致については
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I think that he may be angry. 彼は起こっているかもしれないと思う。
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I thought that he might be angry. 彼が怒ってるかもしれないと思った。
thoughtが過去形だと、that以下も過去形に合わせる、というのが時制の一致です。このような場合は、mayではなくmightを使います。
仮定法の場合
それでは、仮定法でmight はどういうことかというと、will you~をwould you~にするのと同じです。
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こちらの↑記事に書いていますが、時制を1つずらす(過去にする)というのは、「ありえないこと」という気持ちを出すときに使う技です。
例えば、Can I ~ ~していいですか?というより、Could I~と言った方がより丁寧になります。(こんなことお願いするのはあり得ないんですが・・)という気持ちがでます。
ちなみに、
許可を求める時は、Should I~ → Can I ~→ Could I~ → May I ~の順で丁寧になってきます。
お分かりと思いますが、May I~はすでにかなり丁寧なんですが、May の時制を過去にして、Mightにする、ということは、半端ではないくらい丁寧と言えますね!
現代英文法講義の例文は
Might I ask the President a question?(大統領に質問してもよろしいでしょうか?)と書いていました。大統領に質問していいですか?なんて軽く頼めないですよね。
この場合はMay をMight に時制をずらしている、と考えればMight は May の過去形ですね。
意味の違いは
意味の違いは?というと、mightの方が少し可能性の低い「~かもしれない」です。
参考まで、助動詞の「可能性」の違いは以下の通りです。
可能性低い could〈 might 〈 may 〈 should 〈 would 〈 ought to 〈 has to 〈will 〈 must 〈 is 可能性高い
may have と might haveの違い
may と mightの違いを踏まえたうえで、may have と might have の違いについて考えてみます。
助動詞はhave 完了を付けると、「過去」の意味になります。may have~だと、「~だったかもしれない」という意味になります。
先ほど同様、may がmightになって、might have でも意味はあまり変わらないです。両方、「過去の推量(~だったかもしれない)」です。might haveの方が弱い推量です。
might haveではないとダメなパターン
may have とmight haveは使い分けできるの~?というと、時制の一致と仮定法です!
基本的にmight have は仮定法で使われるものです。
時制の一致
I think he may have lost his way. 彼は道に迷ったと思う。
↓
I thought he might have lost his way. 彼が道に迷ったと思った。
グーグルで調べると、時制の一致もmight haveよりmightの方が多いようです。やはり、might haveが好んで使われるのは、仮定法の場合がほとんどと言えます。
仮定法
仮定法は、「ありえないこと」を表現するために、時制を1つ過去にずらす文法です。
例えば、「死んでたかもしれないよ!」という場合、実際に死んでいない→現実とは違うことを表現しているということです。これが仮定法です。
なので、You might have been killed. (実際は死んでいない)というように、might have を使います。
If she had left home earlier, she might have been in time for school. 家をもう少し早く家を出ていたら、学校に間に合っていただろうに(間に合わなかった)
これも、早く家を出たら(過去)→時制を1つずらしてhad leftにしています。間に合った(過去)もずらすので、might have になっています。この場合はmay haveよりもmight haveが使われます。