英文法を学習していると、この文法は意味がわからない=丸暗記するしかない・・という構文にでくわします。
私にとって、It is 形容詞 that should 原形 は、まさに、「暗記するしかないか・・」と思わせる英文法です。
たとえば、It is natural that he should get angry. (かれが怒るのも当然だ)という文章です。このshould!! why English people!!なんで怒るだけでshouldつけるんだよ!!わけがわからないよ!!と厚切りジェイソン並みに叫びたくなります。
実際、私も高校時代にdemand,order, command などのような「提案」「要求」の動詞が使われた時の「that節の中」では「should 原型」にする・・というように暗記していた記憶があります。
この、なぞのshould 原型にも理由がありますので、今回は「提案、要求の動詞 that should~」について書いていきます。
正体は「仮定法現在」!?
結論から言ってしまうと、どうやら、この文法・・「仮定法現在」のようです。仮定法過去、というのは聞いたことはあっても、仮定法現在はあまり聞いたことがないかもしれません。
仮定法現在
ロイヤル英文法によると仮定法現在とは・・「現在または未来の不確実な仮定を表す」ということです。かたちは動詞を原形にします。
つまり、事実を言っているのではなく、「これは事実ではなく、仮定、想像して述べているんですよ~」という気持ちを表している表現です。その気持ちを示すために、動詞を原形にしている、ということです。
*仮定法の気持ちの動きについては
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would you ~は何故丁寧語なのか? (助動詞と仮定法)
依頼するときに使う助動詞 would 中学英語で助動詞、って習いますよね。 動詞を助ける、助動詞です。 mustとかcanとか習うと思うのですが、「依頼」するときも助動詞を使うと習います。 例えば、「 ...
どういうことかというと、
If it rain tomorrow, I will stay home. (明日雨が降ったら(仮定)、家にいます)
というように、雨が降るかどうかは「仮定」ですよね。なので、その気持ちを表すために、rainを原形にするのです。・・・え、ちょっと待ってください!!そこは三人称単数で、rainsでしょう!!と言いたくなると思いますが、それは直説法という文法です。学校で習う現代英語では、この直説法現在という表現(普通の現在形)を使っているというわけです。
実は、このIfの仮定法現在は、古めかしい英語とされています。学校では面倒なので?というか、会話で使わないし・・という理由かわかりませんが、仮定法現在と直説法の違いなんて説明しないですよね・・
なので、せっかく仮定法現在を理解したのに、今は使わない文法・・ということになります・・If it rain tomorrow, I will stay home.などと言うと、「雨が降ったら家にいるでござる。」のように聞こえる・・と想像します・・
ネイティブの方は、そこまで文法を意識しないでしょうから、「このジャパニーズは三単現の sを忘れてるネー。けど、そんなのかんけーねー!」と思うでしょう。
*ちなみに、未来のことだからwill rainでは?と思うかたもいるかもしれませんが、高校では「時、条件の副詞節では未来の代用として現在形(直説法現在)を用いる」と習います。けど、willも普通に使われます。そのあたりは長くなるので別記事で書きます。
It is 形容詞 that should 原形に話を戻すと・・
ながながと説明していまいましたが、仮定法現在についてわかっていただいたところで、It is 形容詞 that should 原形に戻ります。
仮定法現在は、古めかしい英語だから、会話では使わない・・と書きましたが、口語表現で仮定法現在が使われる珍しいパターンがit is 形容詞 that should 原型の文法なのです。
なので、大事なのは「これは事実ではなく、仮定、想像して述べているんですよ~」という「感覚」
この感覚無しにshould 原形になる動詞の丸暗記をしても、使いこなせないと思います。
まず、念のため、that 節がshouldになる動詞、形容詞を挙げてみます。
*should は省略もできますが、イギリス英語ではshould原形が好まれます。
That節の中にshould 原形を用いる動詞 (要求・提案・命令など)
例文
I insist that he (should) be honest. (私は彼が正直であるあるべきだと要求する)
advise(忠告する) agree (同意する)arrange(取り決める) decide (決定する)determine (決定する)intend(~するつもり) order(命じる) command(命令する) request(要求する) propose(提案する) suggest (提案する)recommend(推薦する) request (頼む)ask(頼む) demand (要求する)require(要求する) urge (強く迫る)など
That節の中にshould 原形を用いる形容詞(事の是非、善悪、話し手の感情)
例文
It is essential that he (should) study everyday. 彼が毎日勉強するのが絶対必要だ。
appropriate(適切な) good(良い) important (重要だ)necessary (必要だ)advisable(賢明だ) imperative(絶対必要だ)surprising(驚きだ)など
insist などは原形にならない場合も!?あくまで「仮定」「想像」が大事
仮定法現在が使われる動詞と形容詞を羅列しましたが、大事なのは「仮定」「想像」です。
例えば、important を使って、It is important that he should apologize to her. (かれは彼女に謝ることが大切だ)この場合、「彼が彼女に謝る」という行為は、話し手からすると「想像」ですよね。なので、仮定法現在が使われています。
それでは・・・It was important to him that he had passed the exam.(彼にとって、その試験に合格したということが重要なことだった)あれ?important なのに、原形じゃない!?と思うかもしれませんが・・・
彼が試験に合格した、というのは「事実」ですよね。なので、仮定法現在は使えない、というわけです。丸暗記はこわいですね~
他にも、He insisted that his daughter always come home early. (彼は、娘にいつも早く帰ってくるように要求していた)
ちょっと直訳で変な訳ですが、娘が早く帰ってくる、というのは想像ですよね。要求しているってことは、実際に早く帰ってきていません。なので、仮定法現在がいいですね。comeは原形にするか、should comeにします。
では・・・He insisted that his daughter always came home early. (彼は娘がいつも早く帰ってくると主張した)
insistには、「要求する」以外にも、「主張する」という意味もあります。He insisted that his daughter always came home early. のinsistは「主張する」の意味で使われます。
彼は「娘がいつも早く帰ってくる」ということを主張しているわけですよね。と、いうことは「娘がいつも早く帰ってくる」というのは「事実」です。
事実を表現するなら仮定法は使えませんよね。なので、cameになっているのです。
He insisted that his daughter always came home early. とHe insisted that his daughter always came home early.まさに似て非なるものですね~
if you should…should you…も仮定法だった!should you have any questions
余談ですが、shouldで思い出すのは Should you have any questions please feel free to contact us. という文章です。日本語では「何か質問があったら、ごれ連絡ください」というもの。
ネイティブと仕事のメールをしているときに何度も目にした表現です。そのたびに、なんでshould??と思っていた私。けど、考えもせず真似してShould you have any questionsって使っておりました。
今思えば、これも立派な仮定法現在ですよね。 もともとの文はIf you should have any questions, please feel free to contact us. 詳細は避けますが、仮定法はIf を省略して倒置する方法があります。そのため、Should you have any questions please feel free to contact us.という文になっていたということです。質問が万が一あれば(仮定)連絡ください。という感じです。
仮定法現在は古めかしい英語と言いながら、実はビジネスの現場では使われていた・・・ということでしょうか。TOEICにもよく出ますよね。
いかがでしょうか?that 節のshould に対するモヤモヤが少し晴れれば幸いです!