倒置構文は苦手とする人が多いと思います。TOEICや英検、大学入試の長文で頻出ですよね。長文をスラスラ読んでいるときに倒置が出てくると「あれ?」と意味が分からなくなる・・よくある話だと思います。
ある程度パターンが決まっているので、パターンを覚えて、どんな時に倒置が起きるのか?考えたいと思います。
倒置とは何か?なぜ倒置が起きるのか??
そもそも倒置とは何か?というと、主語と動詞の語順が逆になる文章です。
例えば、Never have I seen such a beautiful scene. (こんな美しい景色は見たことない)ほんとだったら、I have never seen such a beautiful scene. というように言うべきですよね。このようなカタチを倒置といいます。
どうしてこんな表現をするのか??というと、Never を文頭に持っていきたくなるほど感情を強調したい気持ちが前面に出ているからです。
I have never seen such a beautiful scene.(このような美しい景色は見たことがありません)
↓
Never have I seen such a beautiful scene. (マジでこんな美しい景色、見たことないよーーー!!!)
このように、テンションが高まるあまり、Neverが先に出ているんです。言いたいことを先に言うのが英語ですね。Never!!と先に言って、テンションがあがったニュアンスを伝えるために、語順まで変えてしまう、というイメージです。
それを踏まえて、倒置のパターンを見ていきましょう。
倒置のパターン
here、 there で相手の注意をひく
例文
Here comes the Sun.(ほら、太陽が出たよ)
There goes the train! (ほら、電車がでるよ!)
ビートルズの曲に「Here comes the Sun」という曲があります。日本語にすると、「ほら、太陽が出たよ」という意味になります。このように、here、thereが頭にきて、「ほら!」と注意をひくことができます。やはりテンションが上がってますよね。ある意味、中学で習うHere is a pen.(ここにペンがあります)という文も倒置の一種です。*He sheのような代名詞が主語の時は倒置できません。
否定、限定の副詞が前に出る
例文
Little did I dream that she would be a doctor. (彼女が医者になるなんて夢にも思わなかった!!)
Rarely have I seen such a beautiful picture. (こんな美しい絵は見たことがありません!)
先ほどNever で挙げた例と同じです。否定語、限定は倒置で一番使われる表現かと思います。「決してない(never)」「めったにない(rarely)」「~だけ(only)」は感情の高まりとリンクしやすい表現だからです。
他には・・little, neither, never, no longer, no sooner, nor, not until, hardly, rarely, only などがあります。
*引っ掛け問題で見たことがありますが、「Negatively (否定的に)」は否定語ではないので倒置にしません。
相手の言ったことに対する同意
例文
I love beer. (私はビールが好きです) So do I. (私も!)
I love beer. (私はビールが好きです)と言われたら、I like it too. Me,too. のようにも言えます。けれど、あえて So do I. (私も!)と倒置をさせると、「私も!」という感じで反射的にすぐ反応する雰囲気がでます。ここでもテンションの高まりで倒置が起きています。
ちなみに、So の後は So did I. So am I. So was I. So have I. など、相手の言った内容で変えます。I loved beer. (ビールが好きだった)So did I.のような感じです。
否定だったら、I don't like beer.(ビールが好きじゃない)Neither do I.(私も好きじゃありません)と言います。
仮定法
仮定法についてはこちらの記事も参照してください。
-
-
would you ~は何故丁寧語なのか? (助動詞と仮定法)
依頼するときに使う助動詞 would 中学英語で助動詞、って習いますよね。 動詞を助ける、助動詞です。 mustとかcanとか習うと思うのですが、「依頼」するときも助動詞を使うと習います。 例えば、「 ...
仮定法は時制をずらして「あり得ない」ことを表現する気持ちを表現できます。
さらに、倒置をして有り得なさを表現できます。
例文
If I were you, I wouldn't do that. (もし私があなただったら、そんなことしない)これを倒置すると、Ifを取ります
Were I you, I wouldn’t do that.
so that , such that構文の強調
例文
He was so tired that he could not speak.(彼は疲れて話すことができなかった。)の「so tired」を強調すると・・・
So tired was he that he could not speak.
so~thatは、とても~なので…という構文です。もうお分かりかと思いますが、とても~なので…という文章は、感情表現にピッタリの表現です。so~のところを感情が高ぶりまくっている様子を表現したい!というテンションに答えるのが倒置です。So tired was she・・の語順から、めっちゃ疲れている、というテンションが伝わると思います。
疑問文
例文
Can you play the guitar? ギター弾けますか?
最後に、Be動詞の疑問はBeとyouの場所を変えて・・なんて中1で習いましたよね。これも、ある意味倒置です。「知りたい!!」という気持ちが乗って、倒置になっているのです。これまでの倒置の例と同じですよね。